第六十四話
短くて本当にすみません
最近リアルの方が忙しくて、あまり時間がとれなかったのが原因です。
落ち着いたら分量を前と同じぐらいに戻そうと思います。
ただ今の時刻は月曜の朝七時半ごろ。通学のために電車に揺られている光一の周りには、同じく通学のために電車に揺られている学生や、通勤中のサラリーマンの姿があった。
光一は電車が目的の駅に止まると、休みが明けたことで若干憂鬱な顔をしている学生やサラリーマンを尻目に学校へと歩を進める。
「はーぁ、休み明けの学校はタルいよなぁ」
「確かに、まぁ代表決定戦も近いし頑張ろうぜ」
そんな会話をする学生達を素通りして、光一は自身の教室である一年Fクラスの扉を開ける。道中"あれって、あの学年最下位か?""あれがあの右腕の男か"などといった声が聞こえるが気にはしない。
光一が教室内に入ると、中にいた生徒の内数人はちらりと光一の事を見る、中には光一の事を敵対視するような視線もあったが、それも気にすることはなく、自身の席に座り光一は自習を始める。
その後担任がやってきたのを合図に朝のホームルームが開始され、生徒達の一日が本格的に始まる。
それからしばらく時が立ち、実戦ではなく座学を学ぶアルマ学の授業の時間となった。今回のテーマとして、教師である笹山が"同調"と書き、授業がスタートする。
「さて、今まで実戦で同調のことをやってきたが、今回は同調についての知識を頭に入れてもらうぞ」
そう最初に笹山が宣言すると、それから同調についての基礎的な説明を具体的に受ける。その内容としては、
「まず、同調というものはなんだか分かるか? 今日の日直は……山崎。答えてみろ」
笹山は、一度黒板の右下に書かれた日直の名を見ると、そこに書かれた山崎を指名する。
「アルマパーツとの相性ではなかったでしょうか」
「正解だ。また、この相性が高まればそのアルマの性能を引き出すことも出来る」
指名された山崎は特に突っかかることもなく答えを言い、笹山はそれに捕捉を入れながら説明を続ける。
「そして、自分がどれだけアルマと同調できているかを示すのが、同調率だ。これがあまりにも低いと装着が出来なくなることすらある。その目安が……こんな感じだな」
そう説明しながら、笹山は黒板に今の説明を分かりやすくするための図を描いていく。その図の内容は、
・零~二十パーセント 装着不可
・二十一~三十パーセント ギリギリ装着可能
・三十一~六十パーセント アルマを扱うものの平均程度
・六十一~七十パーセント 同調の才能がある者が集中して出せる同調率
・七十パーセント以上 あまりいない、かなりの才能がある者が集中して出せる同調率
こんなところである。
笹山が、一通り同調についての説明を終えると、一度教室を見回してから言う。
「さて、ここまで同調について長々話したが、これから君たちには自身の同調率を測ってきてもらう」
その言葉に生徒達がざわつく。同調率が分かる。つまり自身の実力をある程度とはいえ明確に出されるのだ、これで緊張しないものはいない。
笹山は、ざわついた生徒達に外に並んで保健室へ行き、測定をしてくるよう指示を出す。未だ生徒達がざわつくなか、
「……」
一人、谷中光一だけは特に動揺する様子もなく淡々と列に並び、保健室への歩を進めていた。