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第六十一話

 放送により今回の合同アルマ学の授業終了学年言い渡され、生徒らは最初の集合場所へと集まる。(B,Cクラスは鳳城の紅光線アポロンゲイザーにより気絶者が多かったので、最初よりもかなり少ない人数しか集まらなかった)

 結果としてはAクラスがほとんどのハチマキを独占し、残りのハチマキをB,Cクラスが保有していた形となり、最終的な順位はA,B,Cと特に大判狂わせが起こることは無かった。


  「やっぱ無理してでも戦線に残ったほうが良かったかな……」

  「そうだね……。でも次はこんなことにならないようにしよう」  

  「そうだな、必ずあの一之瀬達にはリベンジしてやる」


 天川と国崎は、最終的な結果とその理由を聞いて後悔していた。ここまでAクラスとの差が開いたらのは、一之瀬と鳳城の連携技によるものであり、その場に居らずに負けが宣告されたのが悔しかったからだ。

 しかし、くよくよ悩んでいても仕方ないと思い。天川らは来るべきクラス対向戦に向けて気合いを入れ直すのであった。



  一方一之瀬颯真と鳳城灯はというと、


  「あら、此処にいたのですか。どうでした? 久しぶりの実戦は」

  「まあ良かったんじゃないかな。天川君と闘えなかったのは少し残念だけれど、どうせ彼はクラス対抗戦に出てくるだろうしね。それに」

  「それに?」

  「彼も確実に出てくるだろうし、いい準備運動になったと思うよ」


 鳳城は放課後いつの間にか教室を出ていた一之瀬を、偶然中庭脇のベンチで見つける。一之瀬は少し話したあとまたどこかえと行ってしまったが、鳳城はそれを特に止めることはなく。一之瀬が言っていた"彼"について考えていた。


  「("彼"とは、やっぱり谷中光一のことでしょうね。まだ私もあまり面識があるとは言えませんが、それでもかなり強いということは聞いています。これはAクラスだからと言って、あぐらをかいていると足元をすくわれそうですわね)」


 鳳城はそう考えをまとめると、帰路につくために一之瀬とは反対方向の門へと歩き出す。



  保健室の札が吊るされている部屋のなか、一人の女がパソコンを操作している。その女は画面と手に持った紙と目を往復させていたが、一度大きく伸びをすると暫く天井を見上げた。


  「はぁ、スキルに目覚めるのはいいですけど、こうしてそれを記録して打ち込むするのは面倒なのよね」


 保健医であり、アルマの観測も兼任する葉波はそうぼやくように呟く。

 そして、コーヒーの入ったマグカップに口をつけると、パソコンを操作していくつかのウインドウを開く。そのウインドウには、


  『最高レベルの技量や同調(シンクロ)率を誇る。鋭利な刃 (シャープエッジ) 一之瀬颯真』

  『不安定な面もあるものの、Aクラスすら凌駕しうる男。勇気の欠片 (ブレイブハート) 天川智也』

  『アルマ学学年最下位ながらも、攻撃力なら間違いなくナンバー1の男。異常(イレギュラー) 谷中光一』


 他にも何人かの名前が乗ったウインドウを見ながら、


  「今年のクラス対抗戦は面白くなりそうだ」


 そう呟いた。





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