第五話 二人の食事
ストックが無くなってきたので二日に一回程度の更新になるかもしれません。
あと短くてすみません
「本当になんだよこの能力、自身操作なんて今でも出来そうなことじゃないか」
光一は、そんな愚痴をこぼしながら帰宅し、とりあえず能力を浸かってみようとする。
(自身操作は……なにしたらいいか分からないから、使うのなら神様召喚だな)
「神様召喚!」
光一は、神様召喚の使いかたを知らなかったが、とりあえず声に出してみればいいか? といった単純な考えで能力を使おうとする。すると、
「うおっ!」
「やあ光一、さっきぶりだね」
一瞬強い光が部屋を包んだと思ったら、光が収まった時には自身を生き返らせた張本人(いや、張本神か)であるリースが目の前にいた。
「なあ、リースちょっといいか」
「ああいいさ、何が聞きたいんだい?」
「いや、俺の能力だけど自身操作って、誰でも出来るようなことしか出来そうにないんだが」
「あー、それは……ハズレでも引いたと思って諦めてよ」
「そうか……」
光一が、仕方ない能力はランダムなんだから、と自分を納得させる言い訳を心のなかで自身に言い聞かせることで、落ち着きを取り戻していると。
「ねえ光一、これ使ってみてもいいかな?」
そう言ってリースはやや興奮気味にテレビを指指す。光一は、その姿に"こうしてみるとただの女の子だな"、と思いながら別にかまわないと返答したところで、夕食を作っていないことを思い出し、夕食作りに取り掛かる。
(今日は、色んなことがあったなぁ。トラックに引かれて死んだと思ったら、変な能力持って生き返って、さらに今自分の家に神様がいるときた)
光一は、自身の奇妙な状況を俯瞰して考えてみると、想像以上に奇妙な状況に、思わず料理を作りながら薄く笑ってしまう。そして光一が夕食を作っていると、リースがリビングからキッチンの方に顔を出す。
「おー、なんか良い匂いがするね」
「リースも食べていくか?」
「いいのかい? いきなりお邪魔して夕食までご馳走になるなんて」
「元々呼び出したのは俺だからな、これくらいのもてなしはしないとな」
「なら、お言葉に甘えさせたもらうよ」
そう言ってリースと光一は、テーブルを挟んで向かい合わせになるように座る。光一は、こんな風に二人以上で夕食を食べるなんて久しぶりだな、と思っていると
「ん? どうしたの光一。私の顔に何か付いてる?」
「いや、何でもないさ。そう言えば俺の料理はどうかな? 不味くはないと自分では思っているけど」
「ああ、美味しかったよ。光一」
「神様に誉めてもらえるとは、嬉しいね」
「謙遜なんてよしてよ。おっと、もう少し話しをしたいけど、そろそろ時間だから私は帰るよ、じゃあね」
「そう言えば時間制限があったな、じゃあまたな」
そう言ってリースの姿はまた光と共に消える。光一は、食器を片付けると、自分の寝室に入り明日の用意をし終えるとベッドに横たわる。
(今日は、色々あって疲れた)
普通とは大きく今日一日をそう締め括ると、光一は睡魔に身を任せた。