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第二十三話 新たな展開

「あー、疲れたー」


 光一はそう呟き、帰り道を一人で歩いていた。今日は朝から体力テストを行った上に、先ほど宗一との組手までしたのだ。疲れて当然である。光一は今日の晩飯作るのめんどいなーと思い、今日はカップ麺でいいか。と、心にきめつつ歩く。


「あれ? 家の電気がついてる………まさか、あいつらの報復とかないよな」


 宿主が不在の筈なのに電気がついている自宅を見て、あのテロリスト達の部下が復讐に来てる。という想像をしてしまい玄関のドアを開ける手に力が入る、そして意を決してドアを開けると。


「おかえり、光一」


「………」


「どうしたの? そんな驚いたような顔してさ」


 光一をそんな声と共に向かえたのは、リースだった。光一は目の前の出来事にすこし呆けてしまうが、すぐに意識を取り戻して返答する。


「あ………ああ、ただいま、リース」


「とりあえず荷物を置いて着替えてきたらどうだい?」


「そうだな、じゃあ着替えてくるよ」


 リースに促されるまま光一は、荷物を置いて着替えるために自室へ入る。 着替えを終えて光一がリビングへ向かうと良い臭いがダイニングを満たしていた。


「あ、光一。この前のお礼と言ってはなんだけど、ご飯作ったから食べてみてくれない?」


 光一がダイニングに入ると、リースにこの状況を説明してもらおうと思う前にそう言われる。言われた通り光一がテーブルに着くと、リースが料理の皿を持ってくる。


「そうだな、いただくとするよ。これは、オムライスか」


「キッチンに広げられてた料理雑誌の折り目がそのページだったからね、好きなの? オムライス」


「まあ、結構好きだな。さて、折角作ってくれたんだ、温かい内にいただくかな」


「たんと召し上がれ」


 そう言って光一はスプーンでオムライを取って口に運ぶ。


「うん、旨い」


「そう言ってくれると嬉しいな、ありがと、光一」


「普通はこっちがありがとうって、言う側なんだろうけどな」


 そんな会話をしながら光一はオムライスを平らげる。光一も人並み程度には料理は出来るが、それでもリースのオムライスは光一より上手いと感じられる出来であった。食器を片付け、光一とリースはリビングに移動すると光一は先ほどからの疑問を口にする。


「さて、何でここにいるんだ? リース。俺は神様召喚を使った覚えはないぞ」


「それはだね、光一に仕事を持ってきたのさ。だから私自身の魔力でここに来んだよ、そんなに長くは持たないけれどね」


「仕事?」


「神は人間達が住む現世ではロクに力を発揮できない、だから神の従者の力を借りる。今回は私より位の高い神から依頼がきてね、それを頼みにきたんだ」


「¨頼み¨ってことは拒否権はあるのか?」


「勿論、でもそれだと報酬も無くなるね」


「報酬?」


「ああ、私達神は善行などを積んで得るような力を分かりやすくするために、ポイント制度を設けているのさ。具体的に言うと今みたいに依頼をこなせばポイントが手にはいって、新しい力をもらえたりするのさ」


 例えば命をもうひとつ増やしたり、超能力の類いを貰ったりね。と、リースが言ったところで、光一はあのテロリストのボスを思い返す。

 今思えばあのテロリストのボスは人の魂でこのポイントを得ようとしていたのだろうと、それなら超身体能力と飛び道具無効の二つの能力を持っていたのも理解が出来る。そこまで考えた所で、光一は口を開く。


「オーケー、受けようその依頼」


「本当かい、助かるよ光一」


「それで? 依頼内容はなんだ?」


「ああ、内容はあっちで詳しく話すよ」


「え? あっちって、何処に行くんだ?」


 光一がそう聞いたところで、リースは数歩後ろに下がると、


「それでは、一名様。異世界にご案内~」


「え、ちょ、まっ」


 そう言ったとたんに光一の足下に、突如穴が出現し、光一はその穴に為す術なく落ていった。

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