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出過蔵、信長と義元の所へ戻る
信長と義元の所に戻った出過蔵は、初めて見る男の姿に疑問を持つ。
「出過蔵、御苦労でおじゃ」
「しかし義元様、そちらの方は一体…」
その時、信長が不敵な笑みを浮かべる。
「おい、出過蔵お前、徳川って知ってるだろう?」
出過蔵は、目の前の男が徳川家康だと理解した。慌てた。私のいない間に何があったんだろうか?
「信長殿、よく家康殿を仲間に引き込めましたね」
「出過蔵、とりあえず落ち着け。お前が光秀の動きを探っている間、俺たちは何もしなかったわけじゃない。俺が直接家康の元に出向いたからな。つまり…」
信長が息を吸い込んだ。出過蔵は、耳をふさいだ。
「家 康 の 説 得 は 俺 の 手 柄 だぁ!!」
「やかましいでおじゃ!」
信長と義元が喧嘩している隣で腹心と出過蔵と家康は呆れていた。
「まあ、出過蔵といったか、よろしく頼む」
「えっと、よろしくお願いします?」
出過蔵は、腹心に対して質問を口にしようした瞬間、腹心は答える。
「あの2人は止まりません。喧嘩がすむまでまちましょう」
出過蔵が手柄だと褒められるのは、後になりそうだ…。