第五十七話 異変、そして仕込み
風邪でダウンしてました。
そして今年最後の投稿になりそう・・・・・。
んで、まあ翌日。
「ンギャァァァ!お、折れるぅぅぅ!?」
「ちょ、兄ちゃん!?それ以上いけない!?」
朝飯食って早々食い逃げ野郎に関節技を決めてます。
「前にやった事ある!そん時はもうちょっと曲げても大丈夫だっ(ボキィ!)・・・・・あ。」
「・・・・・ひ、ぎぃ・・・・・。」
「「・・・・・お悔やみ。」」
「死んで無いだろうが、ウォルター・・・・・。意識は逝っただろうが。」
「ま、どっちにしろ動かなくなったから問題ねえだろ?」
と、まあこいつ突き出して・・・・・。
そのついでに財布の中身も抜いて、と(あんま入って無かった。だからしたんだろうけど。)。
「・・・・・さってと、ぼちぼち行きますか。」
「はいはい。」
突き出した後、まあ昨日と同じようにに移動。
で、数時間ほど移動し通しの後、ちょこっと変化が。
「煙・・・・・?」
「火事か?」
「にしては、規模がかなり大きいな。ここからじゃよくわからないし、そっちに高台があるから行って見るか?・・・・・あまり関心出来た話ではないが。」
「まあ、何にしろ何があるのかは確かめることには変わりないだろ、嬢ちゃん。」
煙がもうもうと上がっていた。
何か知らんが、火事っぽいのだが、何か悲鳴と金属と金属がぶつかり合う音が聞こえる。
後銃声も。
で、高台に。
「・・・・・派手にやり合ってるな。盗賊・・・・・にしてはやけに組織だった破壊に思えるが。」
「どうも魔物の襲撃っぽいぞ?見た感じ、指揮官っぽいのも居るな。」
うん、襲撃。
しかもあっちこっちから火の手が上がってるっぽい。
「え?ここからなどうなってるのか見えるのか?兄ちゃん?」
「見える見える。前行った吸血鬼んときもこんな感じで・・・・・って、やべ!?先行くぞ!」
「どうした!?兄ちゃん!?」
「避難所っぽい所落とされかかってる!?」
「走って間に合う?」
「間に合わせて・・・・・ん?」
「え?」
ふと、シグと目があって、ピーンと来た。
「シグ、限界まで上に飛べ。」
「はい?わ、分かったけどどうす、る!?」
かなり上の方まで行ったのを確認した俺はシグのすぐそばまでジャンプし、
「蹴るぞ!お前に当たらんようには気を付けるけどな!」
「ちょ、そういうのは言ってからやるべきで・・・・・うわぁぁぁ!?」
シグの箒を思いっ切り蹴り飛ばして件の場所に急降下を行う。
・・・・・。
言ったら飛ばねえだろ、お前?
まあ、空中から突っ込んだ方がはるかに速いからな。
狙うは敵陣ど真ん中・・・・・ってな!
「どおりゃぁぁぁ!」
「「「ギャァァァァァ!?」」」
「「「え?」」」
よし、着地成功!
敵もあらかた吹っ飛んだ!
「あ、あんたはいったい?」
「通りすがりの仮面・・・・・じゃなかった!通りすがりの賞金稼ぎだ、覚えとけ!」
・・・・・。
シグのせいで無意識にネタに走りそうになる!
*****
・・・・・。
はーい。箒蹴り飛ばされて現在強制的にお空の旅に出てるシグ・レインフィールドです。
しかし、蹴り飛ばすとかあいつ。
合流次第顔面にシャイニングウィザードを叩き込んでやる。
ともあれあれさ、主犯俺なんですよね。
ま、これから過去に行って実行犯に能力与えに行きます。
と言う訳で、いざ『時間渡航』。
さて、降り立ち・・・・・。
「ギャァァァァァ!?」
「ば、化物だぁぁぁ!?」
うっわぁ・・・・・。
そこにはゲームよろしく無双しているウォル太君が(ちなみにおっさんは居ない。それ以前の時期に飛んだので。)。
拳を振るえば10人単位で吹っ飛ぶ。
足で蹴れば余波でこれまた10人単位で吹っ飛ぶ。
運よく切りかかっても刃の方が折れる。
うん、無理ゲーだ。
そして死にゲーだ。
デッドオアデッドしか待ってないと言うどうあがいても絶望な空気の中、
「っは!理不尽に蹂躙される覚悟も無しに俺にかかってくるなんざ百万光年早いっつーの!」
「・・・・・ウォルター。光年は距離だ。」
と軽いボケをかまして身包み剥いでどっかに行ってしまったようだ。
さて、ここから俺の仕事ですね。
久しぶりに営業モードになって、と。
さてさて、こういうのは向こう側の視点にして楽しむのがおつってもんですが、ぶっちゃけさっきの場所で使い潰すつもりなので描写はすっとばして俺視点で進めます。
「―――――無様だな、貴様。」
「・・・・・グ、ガハ・・・・・何だ、てめえは・・・・・。」
「―――――私の事などどうでもいいではないか。しかし、その体では話もままならんな。」
と言って俺はウォル太にぶっ飛ばされた盗賊・・・・・たぶん山賊だろうが・・・・・を治療する。
指パッチンで。
え?古い?
じゃあ何て言えばいいのさ?
指を弾くとか?
「・・・・・。」
「―――――そう構えるな。こちらに敵意は無い。」
とは言っても、ねえ?
敵意ビンビンに感じます。
「―――――先程の出来事、拝見させてもらったが、随分と貴様等は道化だったな。」
「てめえ・・・・・。」
「―――――しかしながら、素養はあると見た。そこで貴様等に問う。」
「・・・・・何だ。」
「―――――力が欲しいか?欲しいのならば、それに見合う物をよこせ。」
まあ、帰って来る答えなんて、
「渡せるものなんざねえ。さっき見てたっつーんなら根こそぎあいつが持って行ったのを見ているだろうが!」
「―――――そうか?あるがな・・・・・私には貴様らが渡せるものが。」
「・・・・・命寄こせってか?ふざけんなよ。もう一度言うぜ?渡すものなんざ・・・・・。」
「へー。そんなのでいいんですか。」
ワオ、人情味あふれるね、この人。
しかし、少し空気を凍らせるような子が一人。
で次の瞬間。
「じゃあ、この役立たずの命を持って行って下さいよ。」
「が・・・・・おま、え・・・・・。」
うん、やらかしたね。
何て言うか野心家って感じの少年がたぶんこの集団の長の心臓を後ろから突き刺していた。
「お前、何て事を!」
「え?そんなの皆さん分かってる事じゃないですか。」
と、にたぁ、って感じの笑いではなく、にちゃぁ、と言う感じの嗤いである。
「後、役立たずの取り巻きも差し上げます。復讐を兼ねてね。」
「・・・・・っひ、ひぃい!?」
「―――――了解した。」
まあ、なんかこの子本当に力必要なの?
自分一人で取り巻きの首撥ねるわ心臓突き刺すわやりたい放題である。
「・・・・・ふふふ。さあ、力を下さいよ。」
「―――――良いだろう、受け取れ。」
と、血濡れで壊れたように笑う少年に対して時間止めてツルハシを(本気で存在忘れるな、これ。)出し、適当に凶悪なネクロマンサー系の能力を渡す。
・・・・・それを扱う技術と知識もセットで。
魔王様は力与えただけであれだったけどさ。
で、時間停止解除。
途端に目の前の少年から魔力が溢れだし、
「・・・・・ククク、ハハハ、ハッハハハハハ!」
オウ、リアル三段笑い。
リアルやる人まるで居ないってこともあって、こういうの生で見るとマジで引きますね。
「―――――力は与えた、後は勝手にしろ。」
「・・・・・。」
と、俺はその場を去った。
去る前に俺が見た物は、死体を操ってどこかに行く少年の姿だった。
*****
で、時間は跳ぶ前の時間、つまり先程の町まで戻ってくる。
俺は今その上空に居る。
そこには先程の少年の姿が。
何もかも見下した目がかなりアレです。
さて、また視点はウォル太君です。
俺がやるのはお膳立てだしね。
次の仕込みをしつつ、観察を始める俺だった。




