第五十五話 お片づけはきちんとしましょう
かなり時間が空いてしまった。
「・・・・・ここ。」
えー。先ほどから時間もそこまで経たず(店番はスカルに任せたが、断りそうな雰囲気だったので鉄の処女を後ろに置いたらって言うか入れて閉じようとしたら嬉し涙を流して引き受けてくれたがなんか面白そうなので閉じてから来た。)、リオに連れられてやってきましたリオの家。
とは言っても・・・・・。
「・・・・・何で町はずれに?」
うん、彼女の家。
町はずれの小高い丘の上の掘立小屋である。
「・・・・・実験に失敗しても謝らなくていいから。後、修理も面倒じゃない。」
「え?爆発かなんかすんのか?」
「魔力密度や薬品の入れる順番を間違えると大概おこる。」
うーん・・・・・。
まあ、そういう意味ではこう言う所に住んでるのもある程度納得できる。
・・・・・しかし、何度も何度も修繕した跡が見える掘立小屋は何故か痛々しくも、逞しさを感じざるをえない気がする。
その上素人修理臭全開なところがまた・・・・・。
「・・・・・とりあえず、はいって。」
「ああ、うん・・・・・。」
とまあ、中に入らせてもらったのだが、
「なんつーか・・・・・その・・・・・不自然な家具配置。」
「・・・・・それは私も分かってる。まあ、気にしないで。」
「え?ああ・・・・・おう。」
いや、その・・・・・思わず突っ込まざるを得ない感じがしてしまい、突っ込んでしまった。
まず、玄関入って手前半分に、生活に必要と思われる家具(台所、トイレ、風呂、ベッド、本棚)が、不自然なまでにこちらに密集しており、向こう半分ぐらいは、魔方陣と折り畳みのテーブル、後怪しげな薬品入りの試験管とフラスコなどがいくつかあった。
しかも向こう半分が、これまでに何度か修繕と修繕放棄をしたのか床が野ざらしである。
床と地面の両方が土間以外の室内で見れるとは思わなかったよ。
「・・・・・それにしても、何で家に呼ぼうなんて思ったんだ?」
「・・・・・友人と呼べそうなの、あなたぐらいだから。それと色々とかしてもらったおかげで、一人じゃどうにもならなかったところも何とかなったし。」
・・・・・。
お兄さん、交友関係が心配です。
これはいわゆるコミュ障という奴なのだろうか?
「・・・・・。」
「・・・・・。」
・・・・・。
・・・・・。
気まずい。
何か、何か話題を・・・・・。
「・・・・・そう言えば、普段からどんな魔法の研究やら何やらやってるんだ?」
「・・・・・普段はその辺やダンジョンから取って来た薬草から魔法薬を作ってるんだけど、資金難にあってた所であなたにあって持ち直した。」
は、話が続かない・・・・・。
気まずすぎる雰囲気を何とかさせようと目を泳がせていると、あるものに目が泊まった。
「そうなんだ。でさ、一つ気になることがるんだけど、良い?」
「・・・・・何?と言っても私も分かってるんだけど。逃げる?」
「いや、もう遅いっぽい・・・・・。」
うん、なんかフラスコから黒い煙がもくもくと・・・・・他も火花散って炎上寸前、魔方陣に至っては何か出て来そうである。
「やっぱりこぼした薬はちゃんと拭き取っておいた方が良かったかな?」
「普段から拭き取って無かったの!?」
そりゃ起きるよねー、うん。
とりあえず俺は自分と彼女に障壁を張って、数秒後に家全部が吹き飛ぶ爆発に備えるのだった。
・・・・・後日彼女はって言うか、事前に別の廃屋を買い取って居たらしく、そっちに住むようになったらしい。
そして今日も元気に爆発音が響いている。
・・・・・死亡フラグとは無縁そうだ、彼女。
*****
リオの家爆発事件から2、3日後。
またしても暇を持て余していた俺だが、今回は朗報がある。
「もう少しで船上パート終るんだな、向こう。」
と、俺は物置で埃をかぶっていた水晶玉から遠見を彼ら一行を見ていた。
で、今回の暇潰しはと言うと・・・・・。
麻雀をやっている。
「・・・・・。」
おっさんが自分の手牌とかなり長い時間睨めっこをしている。
「・・・・・早く切ってくれないか?流石にダブリーやらかしたのが二人も居る上に三面リーチで切るのに困るのは分かるが。」
「・・・・っつ!?こうなりゃやけだ!」
リンネちゃんに急かされ、やけくそとばかりに中を切る。
が。
「ロン。純正国士無双。」
「嘘ぉ!?」
リンネちゃんはどうやら十三面待ちだったようです。
おっさんの叫びも分からんでもないが、で。
「あ、こっちもロン。四喜和四暗刻字一色。」
「おいコラ、ちょっと待て。」
あ、俺もロン上がりのようです・・・・ってあれ?
「いいか、確認させてもらうけど俺は中を切った。いいな?」
「ああ、それで?」
「嬢ちゃん、分かってて言ってるだろ?何で中が五枚もあんだよ!?ドラ二枚とも中(おっさんは嶺上切りだった。)だろーが!?」
「「さあ、何ででしょう?」」
「お前ら・・・・・兄ちゃんからも何とか言ってやれよ!?」
「・・・・・。」
「黙ってねーで何とか言ってくれや!?」
「うんうん、うん!」
何かしきりにうなずいているウォル太。
「ロン。中のみ。百万点。」
と、ウォル太が見せた物は・・・・・。
ズラーっと一面中のみの牌。
「お前が一番ありえねぇ!?」
「そんな細けえこたぁどうでもいいんだよ。脱げ!」
「脱ぐかぁ!?何時から脱衣麻雀になってんだよ!?」
「・・・・・お客様?もうすぐ到着ですので?」
「「「「え?・・・・・ああ、はい。」」」」
・・・・・楽しそうだな。向こう・・・・・。
多分次の話は向こうでしょうねきっと。




