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第五十三話 拉致られ(るようにお願いし)ました

さて、先日の騒動から明後日の事。

え?その翌日の話はって?

リオと冒険者さんが来てやることやった後、偶然入って来た泥棒にウォル太が三連パワーボム放ってそいつの顔見たらおっさんだったってくらいだから割愛したけど何か?


「・・・・・もうそろそろ出発か。長かったようで、短かったな。」

「だな。こうして長い事同じ場所に居るのは最初の頃こっちに来た時にどっかの宿屋の天井ぶち抜いてその修理費の返済に奔走して過ごした時くらいだったかな?」


・・・・・ごめん、何か。

実行犯ってたぶん俺だわ、それ。

送った時にぶち抜くって・・・・・どんな着地したかにもよるけど。


「・・・・・なあ、シグ?」

「何だ?」

「お前ってさ・・・・・。」


と話を切り出してきました。

でも、ここでちょっと切って少し時間を先に進めてしまいます。

後、視点もウォル太君視点にしてね。



*****



・・・・・冗談で言ったんだけどなぁ・・・・・。

そう思いながら俺は、港に歩いて行く。

あいつとの話で、持って行くことになった袋を担ぎながら。

まあ、本当にやりやがった(・・・・・・・・・)のには驚いたが。

ま、あの髭親父から貰ったのなら仕方がない、か?


「遅かったな、ウォルター。」

「兄ちゃん、もうチケットやら何やらは坊主が用意してくれたから乗るだけだけどよ・・・・・その担いでんのなんだ?」

「あいつに持たされたの。()は中身知ってるから問題ねえけどよ。」

「何が入ってるんだ、一体・・・・・?」


まあ、そんなやり取りの後、船に乗り込んだ。

・・・・・チケット代はどうしたって?

ちゃんと何故かとシグの奴が払ってくれたぞ。

四人分(・・・)(船員の人はも妙な顔をしていたが・・・・・ま、そのうち分かる。)。

そうして俺達は、シグが用意してくれた一等客室に入って寛いでいる。


「・・・・・しかし、こう個室乗ると言うのも・・・・・問題が起きそうだな、うん。特にお前が。・・・・・特にお前が。」

「リンネ、二回も言うんじゃねえよ、まだ起こしてないだろうが。」

「まだって・・・・・起こさないように努力はしてもらおうか?」


うん、まだ起こしてない。

そしてこれから起こすつもりだし。

二重の意味で。


「・・・・・つー訳で、もう船乗ったから起きろよ、シグ。」

「「・・・・・はい?」」


と、俺は袋を開けてシグの奴を起こす。

起こそうと思ってたらもう起きてたらしく、


「・・・・・何時出ていいかちょっとタイミング逃した感はあったが、とりあえず出て来れた。」

「「・・・・・。」」


お、二人とも固まってる。


「「おいぃぃぃぃ!?」」


復帰したかと思えば、次の瞬間絶叫だ。

忙しいな、こいつ等。

ま、原因は俺達にあるのは分かってるけど。



*****



はい、ちょっと時間を戻して再び視点は俺、シグ・レインフィールドです。


「お前ってさ、一応色んなもん作る能力貰ってんだろ?」

「まあな、で?」

「分身とか作れねえか?お前ならできそうなんだが。」


と、ウォル太君にそんな話を持ち掛けられました。


「出来るけど?そのついでに瞬間的に分身と本体も変える機能だって付けられる。(ま、これは元からできた事だが。)」


と言って俺はその発言通り分身を行い、ウォル太を信用させる。


「・・・・・本当に出来んだな。なら、物は相談なんだけどよ、俺達についてこねえか?」


え?

いやまあ、別に良いんだけどね。


「・・・・・まあ、別に良いけどさ、他の二人どうやって説得するわけ?」

「それが問題だよな。お前の方はぼろ出しても何とかなりそうだけどよ。」

「・・・・・なら、拉致った事にしない?」

「・・・・・拉致か?」


・・・・・そしてちょっとの間見つめ合う俺達。


「「拉致なら仕方がない。」」

「じゃ、ちょっと準備して来るからさ、チケット代迷惑料代わりに渡すから買ってきて?」


てなわけで、先ほどの場面に戻ります。

で、また視点はウォル太君ですよ?



*****



「ちょ、おま、盗賊の身包み剥いでから突き出すような悪党とは知っていたが、まさか人攫いをする様な極悪人とは思って無かったぞ!?」

「・・・・・ん?同意の上だから問題ねえぞ?」

「同意があっても連れて来かたに問題があんだろうが兄ちゃん!?」

「・・・・・こういう風に持って来てって頼んだの俺だし、大丈夫じゃね?」

「「いやいや、頼む方もそれを引き受けるのも問題大有りだからな二人とも!?」」


・・・・・問題あんのか?

大体同意の上だし、問題無い。

それについて来たくなかったらそもそも俺の話になんざのらねえだろうし。


「四人分払ったんだ。船の奴らに文句言われる筋合いはねえよ。」

「・・・・・なあ、坊主?お前ついて来る気で四人分払ったのか?」

「無論!」

「無論じゃないだろうが、まったく・・・・・!ただでさえ面倒なのが居るってのに、暴走が加速しそうじゃないか!」

「リンネ、面倒なのって誰だ?」

「「自覚無しかよこいつ!?」」


俺が面倒な奴?

なわきゃねーだろう、そもそも俺はちゃんと面倒事は自分一人で何とかしてるんだから。


「・・・・・うるさいなー。寝て良い?」

「「そもそもの原因が何言ってんだ!?」」



それにしても今日のこいつらは良くハモるなぁ。

ま、今より面白くなるのは分かりきってるから別にいいけどな。

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