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第四十三話 帰還、そして異変

さて、三日ぶりに家に戻る訳だが、俺としては温泉旅行を一日しか楽しめなかったのは大きな痛手だと思う。

まさか、旅行中にウォル太のアホが上位存在と接触するとは思って無くて、監視してたら本来の予定の大半を潰す羽目になってしまった。

まあ、安全は理解できたから良しとはするが。


「あ、お土産買って帰るの忘れてたわ。」


・・・・・二、三日放置しちゃってたわけだし、何か買って帰るべきだろうが、急用で買って帰るのを忘れてしまった。

今すぐ用意・・・・・面倒臭い。

時間停止して保存しといた八ッ橋でも食いながら考え・・・・・。


「(あ、お土産買ってたじゃん。)」


ちょっと食べちゃったけど、まあいいか。

どうせそんな事を気にする奴らじゃないし。

と、行ったときは空間転移して行ったくせに帰る時は何故かディアード行きの船に乗ってるシグ・レインフィールドでした。



*****



「ただいま。」


ただいま。

ああ、ただいま。

三日ぶりの我が、家!?


「ちょ、臭っ!?何これ!?」


店内・・・・と言うか家中何か名状し難い悪臭が漂っている。

ガスマスクが必要な位凄い。

具体的に言うと嗅いだだけで1D10+5(成功)/1D100+20(失敗)のSAN値を持って行きそうなぐらいの臭い。

どっちにしろ一時or不定狂気確定、下手すりゃ永久狂気の可能性もある。

・・・・・ぶっちゃけリアルで。

俺は平気だが。

ただ、殺人的に臭いだけで。

臭いの元は・・・・・たぶん三階。

嗅覚を意図的に麻痺させ、突入する。

そこには・・・・・。


「まだか~?」

「待って下さいね、もう少しで出来上がりますから・・・・・あら?シグさん?」

「ん?シグ。帰って来てたのか?」


ここに居るはずが無い、ウォル太のアホとつるんだおっさんの娘と、この地獄を作り上げた存在の眷属(料理)をものともしない味覚キ◯◯◯が居た。


「・・・・・あの、サリアさん?あんた何でここに?後、店は?」

「あ~。シグさんが出かけるとハイドさんがおっしゃったのでこっちへ。それと、店の方は臨時休業してますよ?」


と、にこやかに言った。

休まなくていいから。

ユウが居るんだから。

ユウがやるから問題ないんだから。

・・・・・あれ?


「そう言えば、スカルとユウは?(温泉旅行時、スカルは置いて行った。)」

「ああ、それなら庭の方でボケッとしてるけど?」


と、ハイドが窓から二人を指差した。


「ふーん・・・・・ちょっと行って見る。」


と、この魔界からさっさと後にした。

でまあ、降りたのはいいんだけど。


「「・・・・・。」」


二人共、何か放心状態で体育座りをしつつ空を半ば死んだ眼で眺めている。


「おーい。」

「「・・・・・。」」


呼び掛けたが、何の反応も無い。


「ちょい、聞いてる?」

「・・・・・。」

「・・・・・。」


またしても反応が無い。

・・・・・庭先にこんな死んだ魚のような眼をした蛆虫の様なクズを置いておく気は無い。

ので、


「そぉい!」

「・・・・・ふべらぁ!?」


スカルの顔に対し、正拳突きをかました。

無論、人中狙いで。


「な、何だ!?いきなり!?・・・・・って!?」

「よし、反応、が・・・・・あべべべべ・・・・・。」

「一体どこ行ってたんだ!?こちとら生死の境彷徨うほどのそりゃもうまさにデッドオアアライブな三日間だったってのに!?」

「・・・・・あ、シグさん。」


やっと反応が返ってきたと思ったら、思いっ切りスカルに揺さぶられまくる羽目になった。


「・・・・・ふふ。やっと帰って来たんですか。ふふ・・・・・ふふふふふ・・・・・。」


・・・・・ユウちゃん?

キャラ、変わってない?


「で、何があったんだ?まあ、家の惨状見れば何があったかは少しは推察できるが。」

「・・・・・あの二人、殺したいな。ふふふふふ・・・・・。」


おーい、ユウ。

壊れちゃだめだ。


「・・・・・ユウは話が出来そうにないし。スカル、話聞かせてくれないか?」

「まあ、いいけどよ。」


と、スカルは語り出した。

スカルからすりゃ、俺の肉体的暴力の方が慈悲深いと思える、悪夢の三日間らしい事の顛末を・・・・・。

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