24.夏休みぼけ
闇サイトは、ある程度時間開いて、閉じる。まるでモグラのように。
それに、「年中暇な」若者が引っかかる。まるで「疑似餌」に魚が飛びつくように。
超一流ハッカーの俺は、その「開いて閉じる」サイトの様子を記録するシステムを開発した。年中24時間見張っている訳にはいかないからだ。
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
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==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
山並郁夫とは、俺のこと。
俺は、『殺しの請負人』、いや『殺し屋』になる筈だった。
長い間、あちこちに『傭兵』で参加していた俺は、あるコミックを読んで『殺し屋』になることにした。
ところが、人生、思ったようにはいかない。
だが、「闇サイトハンター」になって、俺は変わった。
「影の正義の味方」になるのだ。
大文字伝子様の為に。
闇サイトは、ある程度時間開いて、閉じる。まるでモグラのように。
それに、「年中暇な」若者が引っかかる。まるで「疑似餌」に魚が飛びつくように。
超一流ハッカーの俺は、その「開いて閉じる」サイトの様子を記録するシステムを開発した。年中24時間見張っている訳にはいかないからだ。
闇サイトが大流行りだ。
だが、そのお陰で真サイトであるSNSも大流行だ。
午前1時。Base Bookにパラ・リヴァイアサンから、EITO宛の挑戦状が届いた。
『噛まず見付けり』
画面の下の方に、次の英文が見えた。
"Summer vacation is half a month"
何だ、これ?まあ、いい。アナグラムは、高遠様にお任せしておこう。
翌日。Base Bookにパラ・リヴァイアサンから、再度挑戦状が届いた。
『おお、我が子よ。噛まず見付けり』
画面の下の方に、次の英文が見えた。
"Summer vacation is half a month"
何だ、これ?奴さん、夏休みぼけか?
その数時間後。闇サイトに広告が出た。
『くノ一、の衣装で闘う振り。時給1万円。3時間程度。脚の早い女性。』
俺の出番はないな、多分。女子高生や女子大生のバイトなんか伝子様の部下の敵じゃない。
気まぐれに義理の姉貴に電話すると、「郁ちゃん、助けてー!」と言う。
俺はバイクを跳ばして、姉貴の家に着いた。
確かに、いた。ゴキを倒して、ゴキブリ駆除剤を撒いて、一汗かいたから、シャワーを借りた。それがいけなかった。
姉貴は、裸になって風呂に入って来た。
俺は捕まった。『郁夫ホイホイ』に。
とうとう、結ばれてしまった。
「ゴキブリ、ひょっとしたら、用意したの?」
「いつまで経っても抱いてくれないから。私、闇サイトハンターの奥さんでもいいよ。」
「姉貴。」
「いやあ。加津子って呼んで。」
「加津子、籍入れなくてもいいか?」
「郁ちゃんの『オンナ』でもいい。」
へっくし!!
派手なクシャミは俺自身だった。
エアコン、温度変えなきゃな。
―完―
午前1時。Base Bookにパラ・リヴァイアサンから、EITO宛の挑戦状が届いた。
『噛まず見付けり』
画面の下の方に、次の英文が見えた。
"Summer vacation is half a month"