表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/26

17.深夜のファミレス

 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============================================

 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==



 山並郁夫とは、俺のこと。

 俺は、『殺しの請負人』、いや『殺し屋』になる筈だった。

 長い間、あちこちに『傭兵』で参加していた俺は、あるコミックを読んで『殺し屋』になることにした。

 ところが、人生、思ったようにはいかない。


 だが、「闇サイトハンター」になって、俺は変わった。

「影の正義の味方」になるのだ。

 大文字伝子様の為に。


 闇サイトは、ある程度時間開いて、閉じる。まるでモグラのように。

 それに、「年中暇な」若者が引っかかる。まるで「疑似餌」に魚が飛びつくように。

 超一流ハッカーの俺は、その「開いて閉じる」サイトの様子を記録するシステムを開発した。年中24時間見張っている訳にはいかないからだ。


 俺は、義理の姉に、『暇つぶし』で立ち寄っていたが、やはり当面『距離』を置くことにした。

 何かの拍子に義姉との関係がばれれば、間違いなく『人質』にされてしまう。

 義姉は、大金持ちの男と結婚した。

 風俗に働いていて、知り合ったのだ。

 だから、義姉は処女ではない。

 だが、悪漢・・・は、古いか。悪い奴に捕まったら、何をされるか分からない。

 腹違いとは言え、唯一の身内なのだ。


 ぼうっとしていると、頼んだパフェが目の前に来た。

「お客さん、そのパフェ、好きですね。いつも、それ。」「うん、あんたを口説こうと思ってね。」「高くつくわよ。」

 ウェイトレスは意味ありげに言って、去って行った。

 PCを卓上コンセントに繋ぎ、店のWi-Fiを通じて、システムからのアラーム通知メールが来ていないかどうかをチェックしてから、PCを閉じた。

 トイレに行き、何か違和感を覚えた。

 個室?ずるずるっという音がした。

 俺は、得意の懸垂で中を覗き込んだ。

 あのウェイトレスだ。

 勿体ないことをした。

 口説いて「一戦」交えておくべきだった。

 俺は、厨房に入っていった。

 調理係が倒れていた。

 息はあるようだった。

 店の公衆電話で、110番をし、事情を話した。

 ウェイトレスは死んでいた。

 厨房担当者は虫の息だった。

 参考人という事で、俺はバイクと共に警察署に行った。

 名刺を見ながら、刑事は言った。

「興信所の下請け?どんな事するんです?」

「書類の作成です。調査員は出歩く分、報告書作る時間があまりないんです。」

 報告書の下請けをしていることは事実だった。

 だが、刑事に俺のペースが分かる筈も無い。

 今、抱えているのは、年度終わり近くに『青色申告』する為のものだ。

 急ぐものでもない。

 怪しまれたが、新しいアジトの住所が名刺には書かれてある。

 俺は潔白だ。

 取り敢えず「証拠不充分」で開放された。

 本受けの会社に確認を取ったに違い無い。

 本受けの興信所は、俺の幼なじみが経営している。

 興信所調査員は師匠に破門されたが、幼なじみと、また興信所と繋がりが持てた。

 下請けの仕事は、基本的にロハ、つまり、タダだ。

「お前、本当に殺ったりしてないだろうな?」

「してたら、まずゲロってるよ、お前に。」

「ならいい。」

 3日後。刑事から連絡が来た。

 詳細は教えてくれないが、回復した店長から『無理心中』を計ったと聞き出せた、と言っていた。

 手を出さずに正解だった。

 そして、自分自身に誓った。

 2度と、『深夜のファミレス』には近寄らないと。

 ―完―





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ