14.「事件の影にオンナあり」
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
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==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
※このエピソードは、「特命機関夏目リサーチ29」のエピソードに関連しています。
山並郁夫とは、俺のこと。
俺は、『殺しの請負人』、いや『殺し屋』になる筈だった。
長い間、あちこちに『傭兵』で参加していた俺は、あるコミックを読んで『殺し屋』になることにした。
ところが、人生、思ったようにはいかない。
俺は、ふとしたことから、あの「オンナ」を見付けた。
俺が前に踏み出そうとした時、俺の胸に手を出し止める者がいた。
ケン、ケン・ソウゴだった。
「よせ。放っておけ。俺とお前は、大文字の守護者じゃなかったのか?今更、阿倍野元総理暗殺事件のリーダーを告発しても仕方がないだろう。肝心のヒットマンが分からないのだし。」
「いや、ヒットマンも見付けた。重要参考人としてだが、指名手配されている。CIAの二重スパイのオンナだ。」
「少なくとも、お前は闇サイトハンター、なんだろ?表には出られない。大文字には俺から伝える。信用出来ないか?」
「『大文字の守護者』か。ここにメモって置くよ。革命兵士さん。」俺は、自分の頭を指した。
どんな凶悪最低な人間にも隙はある。
風の悪戯で、オンナの帽子が飛んだのだ。
大きなサンハットだった。
一瞬、顔が丸見えになった。不幸なことに、サングラスも飛び、『つる』、つまり、テンプルも壊れた。
オンナは、「囮用犯人」が撃った後、SP達が右往左往している間に、何食わぬ顔で立ち去った。
New Tubeの一部画像には残ったが、警察は報道陣に規制をかけた為、全容の映像は報道されなかった。そして、騒がなかった。怪しい人物について。
「阿倍野元総理暗殺事件」は、俺やケンを含めた「正暗殺チーム」と「囮」で実行された。
当時、「死の商人」グループと呼ばれたグループが、引退した志田総理を唆して実行させた犯罪だ。
作戦は成功し、「寄せ集め」だったグループは解散した。
「寄せ集め」にしたグループは、「芋づる逮捕」を避ける為だった。
「実行犯」と思われた「囮」は、強い洗脳を受けていた。
そして、那珂国スパイの入り込んだ県警幹部は、暗殺の「隙」を作り、リーダーを逃がした。
普通は、普通の神経の持ち主は、すぐに現場から何食わぬ顔で立ち去りはしない。
事件の「公判」は、やっと日程が決まった。
人々は、忘れる。移ろいやすい。
民衆は、常にバカにされている。
那珂国人は「外国人」と「隣国人」を巧に使い分ける。そして、日本の全ての法律が「1度決まったら」なかなか変更出来ない、ことも熟知している。
そして、スパイも大勢いる。
何かの薬を盛られるのか、政治家・新聞社等のハニトラに引っかかる。
「すっぴん」は「ブス」なのに。
そして、自分の血が一切流れていない子供を養育しようとする。
イーグルは、国を取り戻した。
だが、日本人にはクーデターは無理だ。
大文字達の存在は希有なのだ。
俺達は、何事も無かったかのように、「通行人A」「通行人B」として、その場を去った。
ケンにはケンのやり方がある。信じる他はあるまい。
俺には俺のやり方がある。「全ては大文字伝子の為に」。
―完―