僕のつくった君のダイアモンド
ダイアモンドを君にあげる
さっき研究室の炉からとりだしたものさ
ダイアモンドを君にあげる
化学気相成長法で1300℃で数週間さ
加圧していないから
大きさはちっぽけだし
色味は茶けている
だけど硬度は負けないよ
純度も抜群で未来の半導体の本命さ
ダイアモンドを君にあげる
高温高圧法なら結晶の歪みをなくせるさ
ダイアモンドを君にあげる
これでダイアモンドは透明に近づくさ
数百万年間も
地中深くでつくられた
奇跡には勝てない
だけど電気伝導は勝ってるよ
未来の奇跡を君に届けたいんだ
*勝手に研究備品を持ち出してはいけません。
お読みいただきありがとうございました。
以下、興味がありたしたらで、、。
1. 化学気相成長法を用いた人工ダイアモンド
ダイアモンドの極薄い種となるシートに炭素原子を降り積もらせることで、数ミクロンから数ミリの厚さのダイアモンドを積層します。 原料は、メタンと水素分子の混合ガスです。ガスを1,300℃以上で加熱し、マイクロ波を照射するとメタンが分解して、単独の炭素原子ができます。半導体用途としてはミクロン以下の厚さで十分です。可視できるミリの厚さを得るには数週間が必要です。数カラットができます。人工の最高記録は34カラット、天然は脅威の3,100カラットがあります。種のダイアモンドのシートの純度によると思われますが、結晶構造に歪みが生じて茶色がかることが多いようです。ただし、不純物が少ないです。この成膜法は、GaN(LED材料)やSiC(パワー半導体)でも用いられますが、ダイアモンドの成膜に必要な1,300℃はこれらの材料よりも高いです。
高圧力を使わない変わりに、マイクロ波で分子を分解するプラズマエネルギーを投入します。
2. 高温高圧法
原料をカプセルに入れて、数時間から数日、高温でプレスします。地中で生成されるのと同じくらいの温度と圧力(50,000気圧、1,500℃以上)をかけます。原料は黒鉛(炭素)でもダイアモンドに変換されます。化学気相成長法で成膜したダイアモンドを種にすると、歪みがなくなり、透明になるそうです。
3. ダイアモンド半導体
今使われているシリコン半導体よりも、理論上は高速な演算ができます。熱にも強いです(高温でつくる必要がある代わりに、熱に強いのです)。さらに、高電圧を印加しても壊れにくい特徴があります。