7話
「お姉ちゃんありがとう!凄い!お腹痛くなくなった!」
「嬢ちゃん、今回は売りもんまで使ってもらって倅を助けてくれてありがとう…!」
「いえ、良かったです。ガスが溜まりすぎると腸が破裂する可能性もあったので子供の命が助かったと思えば解毒薬の
一つや二つ。安いです。命に値段はつけられないですからね」
「ありがとう!ありがとう!」
「お姉ちゃん!ありがとう!」
「苦しい中、よく頑張ったね。偉いぞ。ちゃんと鍋の中身は飲み切ってね」
「分かった!絶対飲むよ!」
「ミスリルダガーだけじゃ足りないだろうけどよ…」
「いえ、これで十分です。何かあった時のためにもう一つ解毒薬を置いていくのでもし、同じような症状であれば同じよ
うにしてください」
「そこまで必要ねえよ!これ以上は借りが大きすぎちまう!」
「それではダガーの代金だと思ってもらってください」
「…ったく嬢ちゃんは頑固者だな?」
「そうでしょうか?」
―
「もう陽も落ちてきてるから宿に戻ろうかな」
「おい」
「どっちから来たんだっけ…」
「おい、そこの錬金術師」
「ああ、そうだそっちから来たからこっち…あれ?勇者くん?」
「久しぶりだなぁ」
「そうだね、でもなんでこんなところに?」
「たまたま行った道具屋で上級ポーションを見て、あんたの噂を聞いたからな」
「そうなんだ。買ってくれたの?」
「いいや、実は金が無くてな。貰おうと探してたんだ」
「でも、錬金術師さんいましたよね?」
「あの女はまだ中級までしか作れないみたいなんだ。だから一本くらいくれないか?」
「別にいいけど」鞄から一本上級ポーションを出し、勇者へ渡す。
「どうも、それじゃ」
「あ、使用するとき希釈しないと危ないからねー」
「そんなこと知ったこっちゃねぇよ」
「あ…行っちゃった。でも大丈夫かな。身体強そうだし」
―
「これでお前も上級ポーションを作れるな?」
「ええ、これさえあればいくらだって作れるわ」