6話
「なるほど、お子さんの状態が悪いと」
「そうなんだ。頼めないか?」
「そうですね…あまり期待はしないでください」
「おう、ダメだったからってミスリルダガーを渡さないなんて言わねぇさ」
「わかりました。それでは行きましょう」
―
「発症はいつですか?」
「昨日の夜くらいからだ」
「何か変なものを食べたりしますか?」
「いや、倅以外はみんな大丈夫だ」
「ごめんね、ちょっとお腹押すよ」
「い…いたた」
「ごめんね、ありがとう」
「何か分かったか?」
「おそらくですが、中毒症状ではないかと思います」
「中毒?」
「大人と子供では消化できるものが変わってきます。もちろん大丈夫だと思っていたものが子供に食べさせたらダメだっ
た。というだけだと思います」
「それでこれは治るのか?」
「毒を出せば大丈夫です。ちょっと調理場をお借りしていいでしょうか」
「ああ、何か必要なものはあるか?」
「大丈夫です。お湯さえあれば大丈夫です」
―
「これ飲んでもらえるかな?」
腹を抱え横たわっている子供が体を無理やり起こし、コップの中身を飲む。
「熱いからゆっくりね」
―
「あれ、痛みがちょっと抜けてきたかも…トイレ!」
「お、急にどうしたんだ?」
「中毒症状の元であるものが通り過ぎたんだと思います」
「結局何が原因だったんだ?」
「調理場を見た時、原因がありました。ニン草ですね。子供には消化できず、腸の中で止まっていたようです。そうする
と腸内にガスが溜まってしまってお腹が痛くなる現象があるみたいなんです」
「ほう…それは知らなかった。それでどうやって治したんだ?」
「先ほど見せた上級解毒薬を薄めたものです。これを鍋にある分は飲ませてくださいね」