21話
「怒らないの?」
「怒らないよ、でもこれからはしないようにね」
「約束はできない」
「そっか…」
―
なんやかんやありつつ、すでに陽が隠れ始めてきている。
宿を取り、荷物を下ろす。
もうすぐ、夢見の島と言われる所以が見られるのではないだろうか。
食事の前にとあるものを服用する。
そして陽が完全に沈む。
明かりが灯り始める。
―
食事は宿が用意したものを食べた。魚料理の味付けは素材そのままの味なのか塩気を感じる。なぜか懐かしく感じた。
そうして部屋に戻る。
窓から見える明かりは消え入る。
―
窓辺に座っていると暗い家から人が出てくる。
その動きはぎこちない。
一度この現象を見たことがある。夢遊病だ。
しかし、この病は子供に多く見られるはず。なのに今出かけている大半は大人だ。
おそらく、夜に眠ると何かしらをトリガーに夢遊病のようなものを発現するのかもしれない。
廊下からも足音が聞こえる。
島の住民じゃなくてもかかるのか…。やはり睡眠は何かしらのトリガーになっているみたいだ。
足音が鳴り止んだ後、扉を開ける。
誰もいない。そんな静寂。宿から出る。
大人たちは一方向へ進んでいく。
浜辺を通り、島の裏側を目指しているのだろうか。
静かに後ろをつける。
―
「ねぇ」
「なんだ、君もついてきたんだ」
「今日、なんだか眠れなくて。そしたらみんな外に出ちゃって。でもお姉さんが外にいたから」




