4ページ,冒険者登録
……これあれだな。今俺に向かって言った受付嬢は美人だから俺は皆に殺気の目を向けられるってとこか。
いやー世も末だな。まさかこんな冒険者ギルドが治安悪いとは。
まあでも俺に殺気を向けた奴はちょっと痛い目に合わせないとな。
でも、俺の顔を見るなりその殺気の視線は止まった。まあなにせ、俺の顔はなかなか整ってるからな。
これで許してもいいんだがな。でも、舐められるのは屈辱的だ。それにどっちが上か分からせてやらないとな。
そう思い、俺は俺に殺気を向けた奴にだけ威圧をかける。
威圧っていうのは王にやった覇気とは違って、押しつぶされる感じになる覇気ではなく、今にも殺されそうな感じになるのが威圧だ。ようするに、殺気ほぼ同じだ。ただ、威圧の方が少し弱い感じだ。
技量によっては少し違うみたいだがな。
ほら、ガタガタ震え始めた。何故かそれに喜んでいる奴もいるが。
Mか?Mなのか?まあ僕は結構顔に自信があるしそんなやつに威圧かけられたらMだったら喜ぶかな?
うん。僕も長い時間生きてるからそっちのほうにも理解はある。理解はあるだけで現在は、したくはないのだが。
そうして俺は受付嬢の方へ歩き進める。
……少し他人の目が気になるな。
多分だろうけどさっきは俺の顔も見ずにケンカ腰に絡んで来ようとしたけど結構顔を見たら、よかったから絡まないで見守ろう、という結論に至ったんだろう。
そんな感じだったらよかった。しかしそれでも絡んでくる輩はいるもんだ。
ズカズカと俺の前に憚る輩。男3人女2人って感じか。
リーダー格っぽいガタイのいい男が俺に話しかけてきた。
「おい嬢ちゃん。ここは嬢ちゃんみたいな綺麗な者がくるとこの場所ではないんだわ。さっさと家の床に入ってろ」
へえ。結構なめてんな。まあ冒険者ギルドっていうのは実力至上主義組合だしな。これでも結構、気を使って言っているのだろう。でもやっぱり舐められるのは屈辱的だ。どれ。ちょっとだけ力を入れるとするか。
俺は王宮で使った覇気よりも強く放った。なあにどんだけ弱くても腐っても冒険者だ。どっかの貧弱貴族達とは違うんだ。壁にめり込んだりしないだろう。
いやー俺だってあのくらいの覇気で壁にめり込むとは思わなんだ。
でもこの冒険者は結構強いみたいだな。少し怯えてるだけだ。白目向いてるだけ。
……あれ?こいつ気絶してる?してるよね?あー目の前の男が倒れてくー。バタン。
目の前の男が綺麗に倒れた。棒のように倒れたね。
覇気は遠くに放てば放つほど効果は薄れる。しかも今俺が放った覇気は範囲を狭くした。だから周りの奴は殆ど影響を受けてない。近くに居たこの男の仲間は恐怖の色に染まっているのだがな。でも他の奴は大丈夫だ。……大丈夫だよね?
まあいいや。この男を踏みながら進もう。
そう思ったが男の仲間たちは男を連れて冒険者ギルドを去っていった。
周りの奴が恐怖の目で俺を見ている。懐かしいなこの感覚。
そして俺はようやく受付嬢の前に行く。
さっきでは舐められた目は、尊敬や恐怖の目、ありがたみの目などいろんな視線に変わっている。
ちょっとした不都合があったが、無事に受付嬢の前にきた。
長かったような。短いような。いや、短いな。
「なにが用件でしょうかときくところでしょうが、まず最初にありがとうございます。」
「えーとなにがでしょうか?」
彼女はナニヲイッテイルノダロカ?
「えーと、さっき貴方が倒したあの男の事です」
あーさっき倒した、あいつのこと?
「えーとそれがなにかあったんですか?」
「あの男たちは最近、冒険者ランクが上がったことで過信し始め、ああいう風に弱いもの虐めをするようになったのです。でもそれも今日で終わるかもですけどね」
冒険者ランクというのは、冒険者のレベルのことだ。
冒険者のレベルは7段階に分かれている。
*
最下層のFランク通称《無名》
初心者のEランク通称《初心者》
凡人のDランク通称《一般人》
中堅のCランク通称《中堅者》
上級者のBランク通称《手練者》
規格外のAランク通称《天才人》
神話級のSランク通称《化物》
*
この七つだ。Eランクは殆どいない。というか子供レベルだ。Fランクなどさらにやばい。というか論外。ある意味、人間じゃない。
「ということでありがとうございました。では、改めてご用件はなんでしょうか?」
頭を下げられ、申し訳ない気持ちになってしまった。
「いいえ。大丈夫ですよ。あと、今日は冒険者登録しに来ました」
ニコッとそんな笑顔をする。そんな僕に受付嬢は顔の頬を染め俯きながら言う。
「……わかりました。では聖魔力検査を行います」
聖魔力検査は水晶型の神代技術物を使って、聖魔力を数値化させる。聖魔力と全ステータスは大体、比例しているから聖魔力が高ければ全ステータスが高いということだ。
例外はあるけどな。
受付嬢は古神代技術物を持っていき「どうぞ」と言い僕に渡し来た。
さて、ここからだ。どうしようか。俺が本気を出したら、無論Sランク行きだろう。もしかしたら水晶が壊れるかもしれない。いや、多分壊れる。とはいっても俺は聖魔力制御が苦手だ。0か100かぐらいしか聖魔力制御なんてできやしない。
平凡までに聖魔力を抑えるとなると、どんな聖魔法でも制御が難しい。
だけど聖魔力が強いと大体、他人は感知する。
でも俺が感知されないのは、俺の聖魔力が強すぎるからだ。
俺の聖魔力が強すぎて逆に感知されないということだ。まあ凄く強い奴だと俺の事を感知するが、俺の聖魔力を感知した瞬間、恐怖で気を失うだろう。
***
───迷った結果───
「えーと……クライシスさんの聖魔力結果は《無名》ということになりました……」
───やってしまった。いや、抑えすぎた。やばい。《無名》ともなるとなんのクエストも受けられない。逆に、《無名》が受けられるクエストなんてあるのか?
結構どうしようか考えていると受付嬢はある素晴らしい提案をしてくれた。
「あの……一つだけ……パーティーを組むことができれば、クエストを受けられることができます」
俺を考えている姿が見たからかそんな提案をしてくれた。
あ、なるほどね。そういう考えがあったか。
じゃあそうなら俺は───
「それなら、僕とパーティーを組みませんか?」
私は受付嬢にそう言った……
何故、受付嬢を選んだのか。