表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(旧)4000兆回目の転生日記  作者: ゆるん
一冊目 〈迷宮姫の覚醒〉
16/71

15ページ,お決まりのお風呂

「───そういえば、お風呂はどうするの?」


 家での紹介が終わり、マーニャちゃんとおままごとをやっていたらお風呂が沸いたようだ。


「えっ先に入る?」


 質問を質問で返す。

「質問を質問で返さないで」


 やっぱり言われた。


「クーと一緒にお風呂入る!」


 唐突に手を挙げ言い放つマーニャちゃん。


「えっお姉ちゃんと一緒に入らないの⁉」

 直後、マーニャちゃんが停止し、その場で考える。


「マーニャちゃんはお姉ちゃんと一緒に入ってきな」


 一緒に入ったら何処かで怒られそうな気がするので、ここは断っておく。


「嫌!クーと入りたい!」


 強引だなあ。もしもマーニャちゃんと一緒に入るお風呂シーンが絵になるのだったら、それは凄いオジサンたちが興奮するというか……犯罪臭がしますね。

 まあ他に方法がないというわけじゃないけど……


「それなら、クーと私とマーニャ、そしてケルちゃんの四人で入ろうよ!」

「「⁉」」「?」


 マーニャちゃんは目を輝かせ、私は言いやがったコイツ。という顔をし、ケルはなにもわかっていない。


「お姉ちゃん!ナイスアイデア!」


 普通に考えればすぐに思いつくことだけどな。あえて言わんかったけど。

 ケルの方を向く。やっぱり、なにも分かってなさそうだ。


「ハア……」


 こうなったら、もう止まらない。風呂場に直進するだろう。


「みんな、早速、準備するよ!」

「はーい!」


 返事は一人だけだった。

 四人もいるのにドウシテダロウネー(棒)


 ***

 ───夜、キャルメル宅廊下───


 マーニャちゃんが今から探検をするように先導し、私がケルの右手、キャルメルがケルの左手をひいて風呂場へ歩を進める。


「まるで親子みたいだねー」

「?」

「こんな親子なんてあり得るのかなあ……」


 母親がAランク冒険者、父親が性別不明(自称)、子が受肉魔物。うん、ありえねえな。


 おや、さっき紹介された風呂場に着いたようだ。

 でも、さっきも見たが、ここの風呂場はだいぶ広い。


 広さで言えば、32畳くらいあるだろうか。シャワーとか凄いあるからな。


 といっても、まずは風呂場へ入るには着替えないといけない。そして、ここがポイントだ。

 キャルメルがこちらをガン見している。それはもう、凄い目でこちらを睨んでいる。


「……あのさ、キャルメル」

「……なに?」


 こちらの返答は二の次、なんて考えているのだろうか。

「そんなにこっちを見ないでくれ」

「……みてないわよ」


 こっちを明らかガン見して何を言うんですかねー。


 私は、常時、魔眼と聖眼、さらにその二つが混ざり合う沌眼を発動しているため一人称視点の他にも二人称視点、三人称視点などで物事を見れる。

 だからキャルメルのことが肉眼の視界で見えなくとも、こちらを見ていることなど手に取るようにわかる。


 少し話が逸れた気がするが、要するにキャルメルに私のお着替えシーンが見られなければいいこと。


 そしてそれが実現される一番手っ取り早い方法は、私が着替えるときに極限的に絶対に露骨な肌は見せなければいいのだ。


 すなわち今、私ができる最善の策は───


「───《トアノレス》〚複製〛〚多織留(タオル)状態(モード)


 ふかふかのタオルが私を一瞬にして纏い、露骨な肌が隠される。


「ふう……」


 安堵の息を漏らす。許せキャルメル。これしか方法が無かったのだから。


「クーひーどーいー。なんで肌見せないの!そのスベスベな肌を!」

「キャルメルの視線は私の肌に向いてないような気がするけど?」


 キャルメルが向けている視線の先は私の彼所(あそこ)のほうを見つめていた。

 私がもし男だったのなら危ないところだっただろう。


「この!チクショー!」


 キャルメルが私に向かって突っ込んでくる。

 だが、そんなのはお構いなしに私は避ける。豊かな胸元の二つの果実が揺れる。


 そんなのは気にせずに避けるんですけどね。

 キャルメルは猪突猛進をし続けるが、私は避け続ける。


 やがてキャルメルは私の肌を見るのを諦め自分の着替えを始める。


 普通に疲れる。


「?ンー?⁉ンー!ンー!」

 ケルも周りの真似をし、服を脱ぎ始めるが直ぐに服が引っかかる。


「あーもうもう、そんな脱ぎ方しない。ほら、じっとしといて」


 そう言い聞かせながらケルの服を脱がす。


「ン……」


 ケルの服を脱がすと次に、ケルの全裸姿をバスタオルで纏う。


「よし、お風呂に入るか」


 どうやら、キャルメルたちは先に入ったみたいだ。

 私達も入るか。


 風呂場に行くドアを開け、脱衣所から出る。


「あっクー!」

「おお!風呂場で走るなよ。滑るぞ」


 マーニャちゃんは私に向かって走ってくる。

 そんなに走ったらころんじゃうな。


「ダイジョブだよーだって、『無滑転倒技(モタツチ)』を発動させてるもん!」


 あれっ?確か『無滑転倒技(モタツチ)』って『無最上級聖法』だったような……


「マーニャちゃんって何歳?」

「7歳‼‼」


 ??????????……なるほど。どうやら、この家系は天賦(てんぷ)の才をお持ちのようだ。


 勝手に自己解釈したが、だいたいそんなところだろう。


 気持ちの良いシャワーを浴び、軽く体を洗う。


「さあて、と。風呂に入るか」


 風呂には先に私以外の者達が入っている。

 ケルとマーニャちゃんは広い風呂で泳いでいる。マーニャちゃんもケルも楽しそうに泳いでいる。


 キャルメルはタオルで髪を縛り、もう一個のタオルで肌を隠して座っている。


 男性方面から見させてもらうと、凄く妖艶だ。理性が吹き飛んでしまいそうなように。

 だが、私に理性や本能というのは働いていない。そのため、なにもキャルメルの姿に興奮などしていない。


 ……ほんとだよ?


 このままケルたちの方へ行ってしまうと私も巻き込まれそうなので、キャルメルの隣に座る。


「……いい風呂だなあ……」

 肌に染み渡る。


「気に行ってもらえてこちらもうれしいわ」


 普通の家に、こんな風呂があるなんて反則だ。こんなの温泉だ。温泉。

 まあ、ここは普通のご家庭じゃないけど。


「ねえ。一つ聞いていいかしら」


 リラックスしていながらも、キャルメルは少しだけ真剣に尋ねてくる。


「なんだ?」

「あなたの、そのトアノレス?って、なんなのかしら」

「おっとそれは難しい質問だね。今じゃあお答えできるかもわからないよ?しかも、私がそれを話したところであんたが理解できるかもわからない」


 鼻歌を歌いながらも答える。


「そんなにやばい代物なの?トアノレスって」

「やばい、というか……まあ、確かにやばい代物ではあるかな。だからキャルメルには───」


 分からない、そう言いかけたがキャルメルに止められた。

「それでも、私は知りたい。私と、クーはパーティーメンバーなんだから」


 私は目を開け驚いた顔でキャルメルを見た。


 随分と真剣な目だ。


「わかったよ。話してやる。少し、長い話になるがな……」


 そうして私は語る。少し、嘘を混ぜるが。

創作話

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ