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(旧)4000兆回目の転生日記  作者: ゆるん
一冊目 〈迷宮姫の覚醒〉
15/71

14ページ,仮面外し

───二日目、昼、王宮───


「参ったな……」


 あまりにも最近、問題が起きすぎている。

 まず、事件の量が多い。あまりにも多い。


 暴行、窃盗、強盗、放火……どんなに警備を強くしたって消えることが無い。

 最近は特に酷い。


 あと、帝国のこともある。最近、あの国は領土を広め、軍事を進めている。聖法の技術でもこの星で1位を争うぐらい進めているのに、遂に魔法にまで手を付け始めてきた。そして余たちの領土を欲している。ここは土壌も立地もいいだろう。やつらにはもってこいの場所だ。


 他には、クライシスだ。なぜあのような猛者が今まで知られていなかったのか。これが一番の謎だ。

 これも、帝国が関係しているのだろうか。


 大きく分ければこの3つなわけだが、細かく分ければもっと問題が山積みだ。


 それに、これはあくまで私情なのだが、余もだいぶ老いてきた。


 ……これだと、王位継承はもうすぐだな。我が息子に任せないと。


 さあ、考察は終わりだ。今日の業務に戻らないとな。


 ***

───二日目、夕方、キャルメル宅玄関───


「今晩はよろしくお願いします」

「ああ!こちらもよろしくな!話題のクライシスさん!……とそこの少年は誰だ?」


 ガハハと豪快に笑うキャルメル(パパ)

 それと、結局飼うことになってしまったケルベロスを連れてきた。


「えーとコイツは……」

「お父さん!この子はね、うちで飼うことにしたんだ!」


 キャルメル⁉


「おお!そうか!それならしっかりと成長するまで飼わないとな!」


 キャルメルぱぱ⁉そこ納得しちゃうの⁉


 ……まさか驚いたよ。ケルベロスのことあっさり認めちゃうなんて。というより忘れてたよ。キャルメルのお父さん、ギルドマスターだって。凄く寛大な心の持ち主なんだね。


 あと、もう一つ驚いたことがある。キャルメルの家、めっちゃ豪華。


 王宮って程でもないが、それでも凄く豪華だ。なにか爵位があるのだろうか。


「そんな驚かなくたっていいよっ。だってお父さん、ギルドマスターであると共に伯爵サマだもんっ。」


 やっぱり爵位があったのか。というよりなんかキャルメルを見てみると、こういう説明をするのが慣れているような気がする。


 友達が遊びに来るときに毎回、説明しているのか?


 ……そんな建前があったが家に入る。すると。


「キャルお姉ちゃーん!」


 キャルメルのお腹に小さな幼女が飛びつく。

「ただいまー!マーニャ!元気にしてた?」


 屈託のない笑顔で迫ってくる幼女、マーニャに、疲れなどまるで見せない笑顔で返すキャルメル。


「うん!私、元気で待ってたよ!」


 よく分からない状況に困惑の表情を見せる。


「あっごめんねクー。この子は私の妹のマーニャ」


 キャルメルは俺にそういうとマーニャの方を向く。


「こっちの人はクライシス。クーって呼びな~」

「うん!よろしくね!クー!」


 年下にいきなり呼び捨てかー。確かに、これはなんかくるな。オジサンオバサン呼びよりはマシだけど。()()()の気持ちがよくわかったよ。


「うん。よろしく。マーニャちゃん」

 少し不満がありそうな笑みをわざとするがキャルメル一家はそんなこと気にしない。


「というより、クライシスって、家でも仮面被っているの?」


 あっ仮面付けっぱなしなの忘れてた。


 でも、はたして見せていいのだろうか。いや、大丈夫だろう。この人たちは信頼ができるひとたちだ。


 僕の素顔を見せても大丈夫だろう。

 仮面をそっと外し私の素顔が露わになる。


「わあ……凄く綺麗な顔……」

「クー、綺麗……」


 二人が驚く。

「いや、マーニャちゃんはまだしも、キャルメルはなんとなく予想できたんじゃないか?」


 そんな俺の言葉にキャルメルは首を横に振る。

「いやいや。流石にここまで綺麗だとは思わなかったよ。髪だってサラサラだし、肌だってスベスベじゃん」


 一瞬にして私の近くに移動し肌を触ってくる。

 流石、Aランクといったところか。早い。


「お、おいっ!触るなよ」


 一喝してもなかなか離れようとしてこない。


 そんなだから無理矢理引っぺがそうとすると。


「ホントだ!私と同じくらい柔らかい!」


 マーニャちゃんもくっついてきた。音もなく近くに来た。

 なにかスキルを持っているのか?


「クウン?」


 こら。ケルベロス、そんな憐れの表情でこちらを見るな。


 数分後、なんとか離してもらいまして。


「で~そこの男の子はだ~れ?」

「クウ~ン?」

 

 二人同時に小首を傾げるマーニャちゃんとケルベロス。


 そうだ、説明を忘れていた。


「この子はね、うちで飼うことになったケルベロスのケルちゃんだよ~」


 キャルメルがそういうと、ケルベロスが光りだし、やがて収まる。

 あっもしかしてこれは……


 試しに鑑定して見る。


 ……やっぱりだ。【名付け】されている。


 術者が名無しの者に強く、新たな名前を言うと、名無しの名前が付けられ、名付けされる。


 今、キャルメルがケルベロスのことを〈ケル〉と強く発した為、名付けが完了した。


 名無しだったケルベロスの名前は今じゃあケルとなっている。


「名付けがされたぞ……」


 額に手を当て、呆れる。


「おお!ケルちゃん名付けされたの⁉凄いじゃん!」


 なんでコイツはこうも……まあ別に名付けは悪いことじゃない。


「改めてよろしくね!ケルちゃん」

「うん!よろしくね!」


 私とキャルメルが即時に固まる。


「「しゃ……」」

「?」

「「喋ったああああああ⁉」」


 私とキャルは某CMみたいに叫んだ。

 

 あんなクンとかクウンとかしか言わなかったケルが⁉喋った⁉

 マジイ⁉


「えーっとね、ふたりを~〈どくしんじゅつ〉で、こころよんで、ことばおぼえた!」


 す、すげえ。天才だ。読心術で心読んで言語勉強なんか聞いたことねえぞ!


「すっっっっっっっごっっっっっっっっい!ケルちゃん!天才!」


 キャルメルさん、あなた最近キャラ崩壊えげつないね。

 今の発言、親ばかっぽかったぞ。凄い。


 あと、マーニャちゃん呆けてるぞ。全くこの状況、理解できんぞ。


「おーい!なーにまだ玄関で騒いでるんだ?!近所迷惑だぞ!」


 おっとキャルメルぱぱに怒られてしまった。さっさと家に入らないと。


「すませーん。今行きまーす」


 家に入ると、以外にも結構、貴族らしくなく、どちらかというと庶民的な内装になっていた。


「ただいまー」

「た?ただいまあ?」

「お邪魔します」


 靴を脱ぎ、家に入る。


「じゃあまずは家の紹介しなきゃねー」


 ルンルンとスキップしながら家をかけてく。


「じゃあよろしくな」

「うん!どこ紹介してほしい?」

 

 ほんとに、樹海での出来事が嘘のように笑顔を向ける。


 ここの住人はほんとにお気楽だなあ。

家紹介!

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