第4話 悪夢の幕開け
俺たちは麦茶を飲みつつ話を続けた。
「まず、お前たちは俺の使い魔としてここに来たっ
てことは確かなんだよな?」
「はい、使い魔もとい優さんのお嫁さんとしてここ
に来ました」
「ああ、サタン様の命令でね」
「さっきから気になってたんだけど、ウリウリは何
で意味不明な設定を貫いてんだよ
もうボケる必要性はないだろ」
「何を言ってるんですか、優さん
私は天界にいた頃からずっと優さんの奥さんにな
るって決めてました
その決意は鉄アレイよりも固いのです
後、ウリウリって呼ぶのやめてもらって良いです
か?」
「うん、全く意味がわからん
そもそも人間と天使じゃ結婚出来ないんじゃない
のか?」
「愛というのは障害が大きければ大きいほど熱く燃
え上がるものなんですよ」
「ルカーサル、ウリウリの言ってる事分かるか?」
「さすが神の操り人形と呼ばれる天使だね
常識というものがないらしい
まぁ天使の中でもコイツはダントツで頭がおかし
いようだが」
「は?頭がおかしいのはそっちでしょ
サタンを崇拝することしか脳がない無能集団のく
せに
後、優さんはウリウリって言うのやめて下さい」
「サタン様ほど崇拝するに値するお方はいないね
天使こそ神のご機嫌取りばかりで
まるでキャバクラじゃないか」
(またか、コイツらの喧嘩は天使と悪魔とは思えない
ほど低レベルだな。
落ち着いた雰囲気のあるルカーサルがこんなに取り
乱すなんて天使と悪魔ってそんなに仲悪いのか?)
ともかくまた俺が間に入るしかないか。
「ウリウリもルカーサルも少し落ち着け
後、ルカーサルはキャバクラをバカにするのは良
くないぞ
あそこには男の夢が詰まってるんだから」
「ま、優がそういうなら従うさ
私は優の使い魔だからね」
「あの優さん
いい加減ウリウリって言うの辞めないとわたしも
怒りますよ」
「いいじゃないか
ウリウリって良いあだなだろ」
「えーーーー
じゃあ、私もダーリンって呼んで良いです
か??」
「却下」
「ひどーーーい
不公平ですよー」
「分かった、分かった
ウリエルって呼べば良いんだろ?」
「まぁー今はそれで許してあげます」
「そういえば、使い魔って家族には見えるんだよ
な?」
「そうだね、多くの場合は家族に自分の使い魔を紹
介するみたいだね
まぁ私の場合、悪魔が使い魔の人間は偏屈なやつ
が多いから紹介された事はあまりないけどね」
「え、何か凄い悲しくなってきたんだけど
その人たちは幸せになれたの?」
「まぁ自分の才能が周りに理解されなかったりする
と幸せとは言えない人生のやつも結構いたね」
「おいおい、マジかよ
スゲー不安になって来たんだけど」
「大丈夫ですよ、優さん
なんてったって優さんには四大天使であるこの私
がついてますから」
「うん、それが凄い不安だわ」
「ひどーい
どうしてそんな事言うんですかーーー」
「よし、じゃあ家族に紹介するから2人ともついて
きてくれ」
「ああ、行こうか」
「はい、結婚のご挨拶ですね」
(もう、ウリエルにつっ込む気力もない。
家族とコイツらを会わせたらとんでもない事になり
そうだが避けては通れない道だよな。
やるしかないか。)