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第10話 罰

使い魔談話室には暖炉っぽい見た目のヒーターがあり、壁は茶色でオレンジ色のライトが天井にいくつか取り付けられているという感じだった。

俺は最近使い魔召喚をしたため、この部屋には初めて入ったのだが噂以上に過ごしやすそうで良い場所だと感じた。

ここで使い魔と仲良く語り合う姿を想像するだけで心が温かくなるのを感じ・・・ない。

いや、本来ならそう思うだろうがうちの問題児改め天使様は悪いやつではないのだがこういう場所でじっとしていられるわけがない。

今度ウリエルをうまく巻いてルカーサルと一緒に来ることにしよう。

おっと、そんなことより今は神原さんの話を聞かなきゃな。

しかしルカーサルとレベトもいるとはこの前の事件関連の話なのだろうか?

「神原さん、それで話っていうのは何かな?」


しかし神原さんが話し出す前にルカーサルが言った。

「花、すまないがこちらの話を優先しても良いか

 な?」


神原さんはそれを了承し頷いた。

「今回の件は誰にも被害が出なかったため特に重い

 処罰にはならなかった

 しかし無闇に危険な魔法を使用したという罪は消え

 ないからな

 花には2週間ほど使い魔なしの生活を送ってもら

 う」


神原さんは悲しそうにしつつも自分のしてしまった事に責任を感じているようで素直にその罰を受け入れた

「はい、分かりました」


「今回の件は花の使い魔である私が勝手にしたこと

 だから花は責任感じたりしなくていいのよ」


「ありがと、ベレト

 でも私の人見知りのせいでこんな事になったのは

 変わりないから甘んじて受け入れるよ」


「そういえば優

 サタン様が今回の件で優に感謝されていてな

 一つ願いを叶えようと言っているのだがどうす

 る?

 あの問題天使の強制送還も恐らく可能だが」


「いや、さらっと凄いこと言うな

 確かにあいつは問題児だけど俺の使い魔なわけだ

 しそんな酷いことはしねぇよ」


ちなみにウリエルは悪魔2人がいる空間にはさすがに入りたくないらしく外で待っている。

「そうか、じゃあどうする?」


「そうだな、じゃあ神原さんとベレトへの罰を無し

 にして欲しいっていうのはどうだ?」


「本当にいいのか

 サタン様に頼めばあの問題天使に罰を与ることも

 来週の週刊少年ジェットを誰よりも早く読むこと

 もできるというのに」 


「いや、1個目と2個目の落差すごいな

 俺的には2個目の提案はすごい魅力的だがそれよ

 りも神原さんは凄い反省しているみたいだしわざ

 わざ罰を与えなくてももうこんな事しないと思う

 ぜ」


「あの、ありがとうございます」


「いや、いいよ

 別に大したことしてないし

 ベレトと神原さん凄い仲良いもんね

 俺は2人が仲良くしてるのを見て自分も使い魔を

 大切にしようって思えたし」


「ありがとう、変態君

 最初きみの事を花に近づく変質者だと思って悪か

 ったね

 君は良い変態だ、本当にありがとう」


「いやいやいや、ベレトさん

 良い変態ってどういうこと?

 普通に好青年とかで良くない?」


「何を言ってるんだ、変態君

 花に近づく男はもれなく変質者だ

 変態にランクアップしただけマシだろ?」


「全然良くないんですけど

 というか薄々気づいてたけどベレトは神原さんに

 過保護すぎると思うぞ」


「だ、だよね

 私もいつもそう言ってるんだけど

 ベレトったら言うこと聞いてくれなくて」


「当たり前じゃないか 

 花は世界一可愛いからな

 過保護なくらいがちょうど良いのさ」


なんか、この感じ身に覚えがあるな

神原さんも苦労してるって事がよく分かった。

「そういえば、神原さんの話をまだ聞いてなかった

 よな」


「は、はい

 えっと、話しづらいのですが」


その後30秒ほどの沈黙があった後神原さんは言った。

「私、漫画を描いているんです

 それで、えっと」


「なるほど、その漫画を読んで感想を欲しいって事

 で合ってる?」


「は、はい

 天道くんは私の言いたい事なんでも分かっちゃう

 んですね」


「あー、いや分かるというより俺は神原さんは凄い

 素直な子だと思ってるから雰囲気とか言葉のニュ

 アンスでなんとなく予想してるだけだよ」


「へ、いや素直なんてそんな」


神原さんはまた顔を下に向けて黙ってしまった。

また俺変なこと言ったのかな

それとも凄い嫌われているのか

どちらにしても女の子と関わること自体あんまり多くなかったから仕方ないか。

「ちょっと、変態君

 花を口説くならまず私の許可を取ってもらおう

 か」


「いや、口説いてないから

 それに俺が口説いたところで何も起きないだろ

 イケメンの龍也ならともかく」


俺がそう言うと、ルカーサルはくすっと笑って哀れみの感情がこもった声で言った。

「優、君は見ていて飽きないな」

何だろう、とりあえず褒められている気は全くしない。


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