第1話 俺の使い魔、召喚
加筆しました、よろしくお願いします。
「ねぇ優君
優君は16歳になったら、どんな使い魔に来て欲しい?」
「うーん、変形するロボットがいいかなー」
「ロボットは無機物だからそれは来ないと思うけど」
「あ、そっかー
奏ちゃんは頭良いんだね~」
「まぁあなたよりはね
ねぇ、優君
もし、私が優君の使い魔だったら嬉しい?」
「え?
奏ちゃんって使い魔だったの?」
「例え話よ!」
「いや、嬉しくはないかな
奏ちゃんとはずっとこのまま一緒にいたいから」
「っつ
ほ、本当に優君は私の事好きよね
でも、私にはもう時間がないから」
「え、もうそんな時間?
母ちゃんに怒られる、どーしよ~」
「ふふ、優君にはきっと頼りになる使い魔が来てくれると思うよ」
「そ、そうかなぁ~」
「じゃあ、またね
優君」
「うん、バイバイ
奏ちゃん」
ガチャ、バタン。
「どうか彼に輝かしい未来がありますように」
俺が生まれる100年前、過ちを幾度となく繰り返す人間たちに神様は自ら人間を正すことを決断し、人々の日常は変わった。
神様は人間たちが16歳の誕生日を迎えた際に使い魔を与え、その使い魔たちに人間を導くように命令し、人間は使い魔と共によりよい人生を歩むが良いと言った。
自分の使い魔は基本的に他人には見えず、自分の使い魔とだけ話すことができる。
本来人にはそれぞれ何パターンかの未来が存在し、その未来の中から選びとって生きているらしいのだが、その中の未来以外を歩む人間が増えすぎたため神様がわざわざ直接介入してきたということらしい。
そして現在2100年2月25日、俺の元にもついに使い魔がやってくるのだ。
使い魔というのは多くの場合、犬や猫などの動物や蛍や蝶などの虫の姿でやってくる。
変わり者につく使い魔は妖怪の姿をしていたりもする。カッパとか座敷童とか。
これはあくまで噂だがとんでもない成功を収める未来を持つ者には天使があらわれるらしい。
天使って、漫画やアニメじゃあるまいし。持論だが、天使というのはあくまで超絶美少女を褒める最上級の形容の言葉であって、実際にいてはその言葉は成り立たないのだ。
やはり第一希望は犬だよな、かわいいし。いや、でも妖怪は妖怪でおもしろそうだなー。
俺は期待に胸を躍らせながら使い魔が召喚される昼の12時を待った。そしてついに残り10分を切った。
自分の部屋に使い魔召喚キットを用意し、準備万端!
俺は心の中で言った。
(いでよ、使い魔。我の願いを叶えたまえ)
まばゆい光の柱が屋根を突き抜け天高く上った。
そして二つの物体が屋根をぶち破り俺の前に落ちてきた。
ん?ふたつ?
まるで天使のような見た目でくりくりした青色の目と金色の髪をしたショートカットの綺麗な女の子と
まるで悪魔のような見た目でじっとりとした紫色の目と黒色の長い髪をした女の子が
俺の目の前に立っていた。
面白いと思ってくれた方は是非、ブックマークと評価の方をよろしくお願いします。