『言葉の音の旋律』
『言葉の音の旋律』
㈠
言葉に宿る音については、今までかなり述べてきた様に思う。その源泉となっているのは、音楽を毎日聴いていることである。音楽を聴いていると、自然と音感が聴覚に馴染み、文章を読む時にも、文章を書く時にも、音を意識せざるを得ないというのが、実情の処だ。
㈡
そもそもが、芸術に置いて、文学と音楽は、ジャンルとしては異なっているが、近い存在ではある。文学の音楽に置いては、言葉の裏側に、音の旋律が存在していると言うべきか。勿論、歌詞の付いた曲(現代音楽はほとんど)では、言葉の裏の旋律を意識しないほうが、無理だと言えるだろう。
㈢
クラシックおいては、無論、音が主体となっているのは、述べるまでもないことで、クラシックに文学を意識するというほうが、不可能なことなのであったと言える。言葉の音の旋律は、現代音楽の、文学と音楽の一致によって成された、新たなる革命現象であると思われ、それはこれからも、形を変えて進化すると考えている。