第九章 斬砲の特訓
「それじゃ、はじめるぞ。空間術、異次元特殊訓練所」
やっぱりこの人も伯父さんと同じ術を・・・
「よし。それではまず、武器を作るための基礎。想像する」
「イメージ・・・」
「お前は基本的に遠距離攻撃より近距離のほうが得意だ。そしてお前の戦闘スタイルは体術を使っている。だからお前は普通の刀よりも逆手刀がいいだろうと思う」
逆手・・・?
「どういうものですか?」
「こういうのだ」
斬砲は一瞬で刀を作った
少し短めの刀を逆手で持っている
まるで翼を広げるように・・・
「これが逆手刀だ。お前にとってはこれが一番動きやすく使いやすいはずだ」
「逆手刀・・・」
「お前の場合、普通に持つと動きに無駄ができ、その隙をつかれてしまう。しかしこの逆手刀にすれば動きに無駄が無くなりなおかつ一撃に二度の攻撃をする事ができる」
・・・確かにあれなら突きを避けられても刀で一撃を喰らわせられる
「でも俺は違う武器なども使った方がいいと思うんだ」
「あぁ。それは否定しない。でもお前がこの逆手刀を完璧に作れそして使えるようになったら違う武器も作れるようになる。最初は皆、このような刀か逆手刀を作り始めていたんだ」
なるほど
これは基礎訓練か
「では、はじめるぞ。まず自分に合った逆手剣をイメージする」
自分にあった逆手刀・・・
「・・・・!」
「出来たか。そしたら次だ」
「次は炎を作る」
「炎を?」
「そうだ。この術は炎を武器の形に作るようなものだ。まず炎を作れるようにしなければ話にならない」
炎を作る・・!
「出来た。・・・あぁ・・消えた・・・」
「そんなんじゃだめだ!まず最初に教えたイメージをする。この場合は炎を作るわけだから炎をイメージする。そしてそのイメージを作り出す。やってみろ」
「・・・イメージする・・・」
・・・・・・・・!
「そして作り出す!」
ぼゥ!
「・・よし、OK。最後だ。武器のイメージ、そして作り出せ」
「・・・ふッ!」
・・・・・・ジャキッ!
「・・・うーん・・遅いな。今のは一分は掛かった。それを五秒以内で作れ」
「・・・ッ!」
・・・・・ジャキッ!
「・・四十秒だ。まだ遅い」
「難しい・・・」
「そりゃそうだな。お前はほとんど体術でやってきたんだろ?術で何かを作る、なんて事したことなきゃ難しいに決まってる。それでも速いほうだがな」
・・・・・・・・・
「ま、試してみな」
「・・・?あれは・・・!あのドラゴンか」
「何だ使った事あんのか?」
「あぁ。俺の伯父さんに特訓つけてもらった時にもあのロボットを使った特訓をしたからな」
ここ来た時まさかと思ったが・・・
やっぱり・・・
「そうか。なら話が早い。あのロボットは防御とスピードが普通のドラゴンより三倍ほど上回ってる。だから殴る蹴るは蚊ほどでしかない。気をつけろよ」
「はい!」
「では、始め!」
「ギャーーーーーッ!!」
うっせぇ!!
「ぅおらぁーーー!!」
極火、煌炎!
「ぐおーーーッ!」
やはり刀でないとだめか・・・!
やるしかねぇ!!
「喰らえ!」
逆手二刀流、
「何!?あの一瞬で逆手刀を!?しかも二刀流」
極炎龍陣切り!!
「ぐぎゃーーーーーーッ!!」
「・・・合格!」
「よし!」
「あ、おかえりなさい」
「おぅ」
「じゃ、俺は帰るな。いいドラゴンになれよ」
「わかったよ!」
なんかあいつには疲れる気が・・・
「ねぇ、龍。特訓はどうだった?」
「あぁ。わりと考えてたより早く終わったな」
「・・龍」
「ん?」
「・・死んじゃだめだよ」
「・・・・わかってるよ」
敵は強い
だが俺だって強くなる
俺は負ける訳にはいかないんだ
第九章 終