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第六章 罰ゲーム!?一日デート

「・・ん、あ、雪乃。ここだ、ここ」

「あ、龍君!遅れてごめんね」

午前九時 駅に集合

「いや俺も今来たとこだよ・・ん、メール・・・」

『じゃあまず手をつないで 智美』

・・・・・・・なんで?

「どうしたの?」

「智美が手ぇつなげだと」

「え!?」

・・まぁそのリアクションはおかしくないな

「どうする?」

「・・・みんな見てるんでしょ?」

「あぁ・・しかたねぇ。ほら」

俺は雪乃の手をとった

「え!?」

「昨日のメールで注文するって言ってたし、あいつら見てるんだ。つないでなかったら何言われるかわかんねぇ」

「でも・・・」

「はずかしいか?」

「う、うん・・・」

カップルみたいで、か

「俺だってはずいよ。とりあえず行こうぜ」

「え?ど、どこ行くの?」

「着いてからのお楽しみっつー事で」


それから約三十分間電車に揺られて

「・・着いたぞ」

「・・わぁ♪水族館だぁ♪」

俺が場所に選んだのは駅付近の水族館

「お前が水族館好きだって前言ってたからな」

「それで?」

「あぁ」

「・・・ありがとう♪」


その後俺たちは色々な種類の魚たちを見た

「・・ん、メール・・・」

『いい感じじゃない。次はねアシカショーを今日やるからそこに行って 智美』

・・・うるせぇ

『最初から行くつもりだ、バカ 龍』

「とりあえず飯にしようぜ」

「うん。ここレストランとかあるの?」

「あぁ、館内にあるシーフードのレストランがあるみたいだ」

・・しかし水族館なのにシーフードレストランは無いだろ・・・


「さて何食う?」

「・・ねぇ高そうなお店だけどお金あるの?」

「あぁ。それなら大丈夫だ。ちゃんとあるよ」

「そ、そう?」

・・こいつ結構心配性か?

「んー・・よし。俺は決まった」

「私も決まったよ」

じゃあ・・・

「すみませーん!」

「はい。ご注文は」

「エビと貝のスパゲッティと・・・」

「イカとカニのスパゲッティです」

「はい、かしこまりました」

礼儀正しいな

「なぁこの後どこ行く?」

「んー・・・私はもう少し中を回りたいな」

「そうか・・じゃあこのペンギンコーナーに行くか」

「うん!」

そんな他愛の無い話の後

「お待たせ致しました。エビと貝のトマトソーススパゲッティのお客様」

「はい」

「イカと明太子のスパゲッティでございます。ごゆっくりどうぞ」

マジで礼儀正しい


「あー!うまかったー!」

「じゃ、ペンギンコーナーに行こ♪」

「おぅ!・・あ、メール・・・」

『今からどこ行くの?アシカショーはあと二十分で始まるのよ 智美』

うるせぇ・・・

『ペンギンコーナーに行く。アシカショーはそのあと 龍』

「じゃ、行くか」

「うん♪」

・・だんだん明るくなってきたな、こいつ


「・・・・・」

こいつ・・・

「〜♪」

すっげぇニコニコしてるのはなぜ!?

「・・なんかいいことあったか?」

「え?別に?私ペンギン大好きだから♪」

あぁ・・なるほど・・・

ん・・もうすぐだな

「なぁ。野外でアシカショーやるみたいだけど見に行く?」

「アシカショー!?行く行く!」

・・なんつーハイテンションぶり・・・


「お、始まるな」

「こんにちわー!アシカショーへようこそ!これからここにいるアシカ君たちが色々な芸を披露してくれます。では、はい。拍手ー!」

パチ、パチ、パチ、パチ・・・

「アゥアゥ」

へぇー・・アシカって芸達者だな・・・


約二十分ショーが続き

「えー。もうすぐでショーも終わるわけですが今日は!この水族館にとって特別な日なんです。なんとアシカのカップルが生まれて今日で一年経ちました!それでは拍手で迎えてください。アシカのカップルのヒロ君とセイコちゃんです!」

パチパチパチパチパチ!

「アゥアゥ」

「はーい。それじゃあチュー!」

チュッ・・・

アシカもキスするんだ!

「ラブラブですねぇー。えーという事でですね」

何がだ・・・

「今日はカップルで来られた方と記念撮影してくれまーす!セイコちゃん、選んで」

アシカが選ぶんだ・・・

「アゥ!」

・・・ちょっと待て

「では前の方ステージへどうぞ」

何で俺らが選ばれるんだよ・・・

「ほら。どうぞ」

「・・・行くか?」

「・・・うん。せっかくだし」

俺たちはステージに上がった

「えー、ではまず彼の方からお名前をどうぞ」

「あー・・火炎龍です」

「龍君ですね!かっこいいお名前ですね!」

お世辞丸見え

「では彼女の方、お名前をどうぞ」

「・・雪乃ことはです」

「ことはちゃんですね!かわいいお名前ですね!」

なんか同じような事しか言ってねぇ・・・

「それでは記念撮影の前にアシカに芸をやらせてみましょう!」

聞いてねぇぞ・・・

「出来ますか?」

「無理に近いですね」

「大丈夫!アシカはあなたの動きを真似しますから!」

てか拒否権なし!?

「・・やってみっか・・・恥ずかしい」

試しに俺は自分の顔を隠してみた

「アゥ」

・・・マジで真似した・・・

「はい!上手に出来ましたね!では次はことはちゃん。お願いしまーす!」

・・・こいつ固まってる・・?

「すいません。こいつシャイなもんで・・・」

「あ、そうですか。それでは記念撮影をしましょう!」

「大丈夫か?」

「う、うん・・・何とか・・・」

・・・メール来たよ・・・

『撮影で手つないで!絶対ね!あとで見せてもらうから! 智美』

こいつ・・・

「それでは・・・」

俺は雪乃の手をとった

「3、2、1、はい!はい、撮れましたよ!」

「・・あ、あの・・・」

「何ですか?ことはちゃん」

「携帯でも撮ってもらっていいですか?」

なぜ!?

「はい!いいですよ!」

撮るのか!?

「ここがシャッターです」

マジかよ・・・

「はい。それでは・・・」

また俺は雪乃の手をとった

「3、2、1、はい!撮れました!」

「ありがとうございます」

ショーが終わり俺たちはステージ裏に呼ばれた

「はい。これが写真ね。二枚プリントしておいたから」

「ありがとうございました」

「いえいえ」


「いい記念が出来たな」

「う、うん・・・」

「なぁ。何で携帯でも撮ったんだ?」

「え!?あ、あの、その・・待ち受けに・・・」

いきなり声小さくするなぁ・・・

最後聞き取りづらかったぞ・・・

まぁ、しっかりと聞こえたがな・・・

「待ち受け?何で」

「べ、別に理由は・・・」

「・・・まぁ、別にいいけど。帰るか」

「うん・・・」

・・・メールまたかよ・・・

『もう帰るの?だったら帰りは家に着くまでずっと手をつないでおく事! 智美』

・・・マジかよ・・・

「ど、どうしたの?」

俺は無言で雪乃にメールを見せた

「つー事だ」

俺は三度(みたび)雪乃の手をとった

「・・はずかしい・・・」

「俺だってそうだよ・・・」


そして戻ってきて俺は雪乃を家に送り

「じゃあまたな」

「うん。ありがとう」

自宅へ戻ると・・・

「川平。ここで何してんだ?」

「うん。ちょっと感想をね」

「感想?」

「今日のデートどうだった?」

「どうって・・・普通に友達と出かける気分でいたからな」

中学ん時もみんなで遊びに行こうってなったけど・・・

結局みんなドタキャンで俺と女友達だけで遊ぶ事なったし・・・

「じゃあ・・お付き合いとかでの感想は?」

「・・・俺恋愛とかしないから。じゃ!」

俺はそう言って家に入った

「・・・恋愛しない・・・?」


電話で・・・

「あぁ〜。それを言ったって事は雪乃と付き合う事は0%だな」

「坂野君何か知ってるの?」

「あぁ。俺もそれについて炎に聞いた事ある。あいつが言うには・・・」


それはこの日から一週間ほど前の事・・・

「なぁ、お前さぁ好きな奴とかいるのか?」

「いねぇよ」

「あ?でもさ。好きなタイプ聞かれた時答えてたじゃん」

「あくまでタイプだろ?それを言っただけで好きな奴がいると思うのはお前くらいだ」

「・・つまり?」

・・・アホめ・・・

「好きになる対象はいても好きになるかはわからないって事」

「なんで?」

「・・俺は一度・・感情を捨てたから・・・」


「感情を捨てた!?」

「まぁ聞け」


「どういう意味だよ!?感情を捨てたなんて・・・」

「そのまんまだ・・・俺ガキの頃に親二人とも亡くしてるだろ?俺は父さんと母さんの事大好きだったんだ・・でも二人が死んだ時、悲しみがすげぇ溢れ出してな、それで気づいたんだ。愛を、悲しみを・・感情なんかを持っているからこんなに悲しいんだと。それで俺は一度感情を捨てたんだ。でもそのあとの俺はひどくて何をしてもお構いなしでな・・・だから感情を取り戻したんだ。ただ一つ、恋愛と言う感情を残して・・・」

「何で恋愛だけ取り戻さなかったんだ?」

「・・・恋愛なんてしてその相手が死に、またあの悲しみが生みだされ、感情を捨てるかもしれないからな。そしたらもう感情を取り戻す事なんて出来ないかもしれないかもしれない・・・」

「・・じゃあ、お前は恋愛を一生しない気か?」

「・・・かもしれない・・でも俺が相手と一生の愛を誓える者が出たらその感情も取り戻すだろう」


「ってさ」

「ふぅん・・・そうだったの・・・」

「あぁ・・だからあいつにはそういうデートとか仕掛けてもだめだろうな」


「ただいま」

「あ、おかえり」

「悪いな。今日一日一人にしてて」

「ううん。大丈夫だよ」

・・・そうか・・・

「そうだ!今日水族館に行ってな。お土産買ってきたんだ」

「お土産?何?」

「・・気に入るかわかんねぇけどな・・・ちょっと向こう向いて目を瞑ってろ」

「う、うん」

・・・・・よし

「いいぞ」

「・・うわぁ。かわいいペンダント!・・お土産ってこれ?」

「あぁ・・気に入ったか?」

「うん!ありがとう!」

「どういたしまして」


第六章 終

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