第二十一話 部活作りの頼み
「お前、俺に勝てると思ってんの?」
「な、何よ。いきなり強気になって」
・・怯えたな
こんなので怯えるか・・・
「無理」
「え?」
「お前にゃ無理。俺になんて勝てねぇよ」
そう言って食べるのに戻った
「なぁ、楓」
「何よ、函崎」
慰めか・・・?
「これは忠告だ。やめとけ」
「何でよ」
「あいつの力は化け物並みだ」
・・・は?
「どう言う意味・・?」
「じゃあ聞くぞ。人間が弾丸級の威力で消しゴムを投げるか?ライフル級の威力で鉛筆投げるか!?」
「そ、そんなわけ無いでしょ」
「炎」
坂野がぶ厚い辞書を取り出した
「鉛筆」
「・・・・わかった、よ!」
言いながら投げた鉛筆は貫通してドアに刺さった
「・・これが龍の力。あいつが使うと文房具も殺人武器になる」
「殺人は言い過ぎだ。未遂はあるけどな」
「参りました・・・」
早いな
ガチャリ
昼飯の続きで誰か上がってきた
「・・ここにいたか」
と龍の方を見ながら言った
「・・・何?」
「忘れたか・・いや、あの時寝ぼけていたのか・・?」
誰だよこの女・・・
「何のようだ」
「あぁ、そうだ。これを届けに」
「・・俺の生徒手帳・・・これ、どこにあった?」
「今朝お前が落としたんだ。ケンカのあと」
ケンカのあと・・・
・・・誰かと・・・ああ!
「あん時のか」
「やっと思い出したか」
「わりぃ、寝ぼけてたから覚えてなかった」
「だろうとは思っていた」
あん時話した女じゃねぇか
「・・・炎、誰だ?その女」
「あぁ、今朝奴らを血祭りにあげたあと」
「血祭りって・・怖ぇな・・・」
「ちょっと話ししてな」
・・・そういや名前しらねぇな・・・
「私は鷲巳翼。一年だ」
「よろしく。で、俺に何のようだ?」
「あぁ、ちょっと頼みがあってな」
頼み、ねぇ
どんな事なんだか・・・
「じゃあ、放課後、旧館の三階、304に行け。俺もそこに行く」
「・・わかった、が・・場所が分からない」
・・そうか
この学校に半年しかいないんだ
・・・どうするか・・・
「・・・旧館の場所は分かるか?」
「あぁ。だが、分からないのは304と言う言葉だ。クラスか?」
「行けばわかる」
その放課後
俺は瑠奈を函崎らに任せ旧館に向かった
「よぉ」
しかしそこにはまだ誰もいなかった
「だよな」
HRの直後に出てきたし
早く来すぎたようだ
少し待つとするか
「火炎、いるか?」
翼が友達・・?を連れてきた
翼をあわせて全部で女子四人か
「とりあえず自己紹介してもらえるとありがたいんだが」
「あぁ、そうだな」
彼女らは高三の高良真衣、高一の井上智と高二の姉の京都
「・・俺は火炎龍だ、よろしく。で、頼みとは何だ?」
「その前に教えてほしい。ここはなんだ?」
「・・生徒会室だけど?」
「・・・なんでここに呼んだ?」
「俺、生徒会長だから」
「・・・・・・本当か?」
「本当だ」
「・・・・本当に本当か?」
・・俺って信用無いんだな・・・
「・・本当だよ・・・」
「・・・わかった。なら何とかしてくれるかもな」
翼は友達と頷きあって改めて俺のほうに向いた
「・・・・で?頼みって?」
「実は、ある部を立ち上げたいんだ」
部活・・まだ入ってなかったのか
俺もだけど
「何を?」
「家庭科部だ」
家庭科部・・・
料理や裁縫をするのか・・?
女の子らしいが・・・
うちの学校には無かったっけか・・?
「・・作るのなら俺に聞かずとも作れるだろう?」
「それはそうだが・・顧問の事で」
「顧問出来る先生がいないのか」
「いや・・・一人いることはいるんだが・・・」
・・誰かいたか・・?
・・・・誰でもいいが・・
「いるならそいつに頼めばいいだろ」
「いや、実はだな・・・」
「なるほどねぇ・・・」
他に部を作りたいやつがいるか・・・
男女混合の九人で演劇部か・・・
部を受け持ってねぇ先生は一人だって言うし・・・
だが・・そうすると、頼みって何なんだろうか・・・
「それで頼みと言うのは・・・・・演劇部にちゃんと話し合いをしてもらうように言ってほしいんだ」
「・・それは演劇部が人の言い分を聞かずにいると言うことでいいのか」
だとすると・・・
向こうの意見を聞いた上で、だな
「そいつら今どこにいるかわかるか?」
「えぇと、確かこの時間は彼らの部室に・・・」
答えたのは智だった
「部室どこ?」
「下の階のどっか。詳しくは知らない」
今度は京都だった
探してみるか・・・
「じゃあここにいろよ。つれてくるから」
「あぁ、わかった」
さて・・どこだろうか・・・
第二十一話 終