第二章 学校と友達
「お〜っす」
「おぅ、炎」
「おっはよ〜、龍くーん♪」
朝原が跳びつきそうになった
俺は一歩左に避け
「ッ!」
朝原の襟をつかみ
「中山」
「はい・・!」
中山に朝原をパスした
そして俺は自分の席に着いた
「龍くーん♪」
「だから抱きつくな」
最近朝原は俺に抱きつこうとする事が多い
「竹内!こいつ押さえて置いてくれ」
「は〜い」
竹内菜美
俺の友達であり部下のような存在
俺の言う事をよく聞いてくれる一番親しみやすい奴
「ほら離れて」
「やだ!」
「・・・何でこうなったのかねぇ・・・」
前はおとなしくて静かな奴だったのに・・・
「俺は今の朝原より前の静かな朝原の方が好きだぞ?」
「・・・・・・」
すると急に朝原は態度が変わり自分の席に着いた
「・・・すごい一言ね」
「・・ちょっと」
俺は竹内にそっと耳打ちした
「あれは冗談だ。あぁでも言わねぇと静かにならねぇだろ?」
「・・さすが」
「ま、静かのほうが好きだけど少しはにぎやかでないとつまんねぇけどな」
「確かに静か過ぎるのもつまらない」
俺は朝原の席に行き肩を組んで
「そういう事だ。朝原も静か過ぎずにぎやか過ぎずにしろよ。それが一番いいからさ」
「・・・ねぇ前から聞きたかったんだけど・・・」
「ん?何?」
「・・龍君ってどんな人がタイプ?」
「ぇ?あぁ・・そうだなぁ・・・」
俺のタイプか・・・
考えた事もねぇな・・・
「・・俺は静かな一面と明るい一面ある人が好きかな」
「・・・??」
「つまり静か過ぎず明る過ぎない人が好きって事!」
「私はそういう人になれる?」
またへんな質問・・・
「頑張り次第じゃな」
「・・私がんばるから!」
「はいはい・・・」
「ほら席着けー。授業を始めるぞー」
その昼
「龍君。一緒にお昼ご飯食べてもいい?」
「いいよ。どうぞ」
「ありがと♪」
「私たちもいい?」
「俺はいいけど」
「うん。皆で食べようよ♪」
「わーい♪」
・・・・・・・・
やっぱ飯は皆で食うと美味いな♪
女子ばっかだけど・・・
「そのお弁当、龍君の手作り?」
「あぁ、そうだけど・・・それが?」
「龍君お料理できるんだ」
「まぁ普通ぐらいかな」
ガキの頃からやってりゃ上手くなるもんだな
「ちょっと味見♪」
「勝手に食うな!」
「・・!おいしい!これおいしいよ!」
「私もちょうだい」
「私も」
みんな俺の弁当を少しずつ取ってった
「本当だ!おいしい!」
「今度料理教えて」
「・・別にいいけど俺はそんなに時間ねぇな」
それから十分後
「ねぇ。龍君って時々急にいなくなったりするけど・・どうして?」
中山がいきなり質問をしてきた
「・・・人のプライベートを好奇心で聞きだすな。それお前の悪い癖だぞ」
「ごめんなさい」
帰り道
「もうすぐ夏休みだなぁ」
「そうだね。龍君は何か予定あるの?」
「何にも無し」
「へぇー・・・」
夏休み・・・なんかする事あっかなぁ・・・
ドラゴンの仕事で意外と忙しいんだよね・・・
「・・・なぁ。ふと思ったんだが・・・炎は俺と坂野以外に友達はいないのか?」
「・・いるけど」
「誰?」
結構いると思うけど・・・
「中山、朝原、竹内、櫻木、etc」
「女ばっかじゃん」
「友達だろ?」
「俺が言ってんのは男の友達の事だ!」
ならそう言えよ
「お前らだけだ」
「やっぱり・・・なんで俺らしかいねぇんだ?」
「さぁ・・わかんねぇ」
「・・・・・」
・・・なんだよ・・・
俺は家に帰り着くと家の近くをきょろきょろしている女子を見つけた
「・・何してんの?」
「あ、あの、ここに火炎と言う名前の人、いませんか?」
「火炎なら俺だけど・・なんか用か?」
「あなたが・・・あのここではちょっと・・・」
「・・じゃあ家に上がれ」
「・・おじゃまします・・・」
・・・なんか知ってるような・・知らないような・・・
この感じ・・・どこかで感じた事あるな・・・
「あんたの名前は?」
「あ、申し遅れました、私は桜ルルと申します」
「俺は・・知ってるよな。で、話っていうのは?」
「はい・・ドラゴンの事です」
「!!」
なぜこいつが・・?
第二章 終