ソウル・オブ・ドラゴン

第十八話 ボディーガードは許婚！？

数日後

「ごちそうさま」

「・・さて・・・明日からまた学校か・・・めんど・・・」

「めんどって・・・」

「サボっちゃだめだよ？私のボディーガードさん♪」

「・・わかってるよ、お姫様」

その話しは昨日、突然やってきた

・・・トゥルルルルル、トゥルルルルル、トゥルルルルル・・ガチャ

「もしも・・」

「火山君！？」

「！！」

声の主は優睹さんであり、その声は鼓膜が破けると思うほどの勢いだった

「・・優睹さん、火山じゃなくて火炎です」

「あ、ごめんなさい」

「で、どうしたんです？そんなに急いで」

「うん、・・コホン！」

あ、息整えてる

急いで(はしって)電話したんだな・・・

「・・・あなたたち明後日から学校よね。私の勘によるともう学校にいる少しの人は二人が同居してるって知っていると思うわ。それで同居してるって言ってもいいけどたくさんの男子(クズ)共が瑠奈によってくると思うの。家に住めって。それで・・・」

「俺に瑠奈の護衛をしろと・・？」

「そう！そうなの！頼めるかしら」

「んー・・仕方ないですね」

もともとこうなるかもとは思ってたし

「引き受けましょう」

「ありがとう！！助かるわー！あ、何ならお礼に瑠奈の頬にキスくらいなら」

「しねぇよ、おい！」

「・・ま、とにかくありがと♪また何かあったら電話するから。また」

「それでは」

「こうなると思ってはいたがまさか優睹さん直々に頼みがあるとはね」

「お母さん、結構心配するから」

「そっか。それじゃ、俺はこれから散歩に行くけど、お前らも来るか？」

「・・うん。行く」

「私も」

「うーん・・何か久しぶりに外に出た気がする」

「最近はずっと家に籠(こ)もりっきりだったからな。たまの外出だけどこの風、気持ちいいだろ？」

「・・ほんと・・・」

「気持ちいい・・・・」

・・・へへっ♪

やっぱ散歩は気持ちいいな

「あれぇ・・あ！プリンのお兄ちゃんだ！」

「あ、ほんとだぁー」

「あのお兄ちゃんが？」

「ん？おぉ！お前らはあん時のガキか！」

・・てかプリンの兄ちゃん？

「子供にガキって・・・」

「お兄ちゃん何してるの？」

「散歩だよ。ここら辺は風が気持ちいいからね」

ほんとに気持ちいい風だ・・・

「そっかぁ。ママがね、プリンの作り方ありがとうって！」

「喜んでくれたか。ママが作ったプリン、おいしかったろ？」

「うん！」

「・・龍って子供にも人気あるんですね」

「優しいからね、龍って。誰よりも」

「・・・・瑠奈さんって龍のこと好きなんですか？」

「へ？あ、わ、私が！？な、何で！？」

「だって普通は同居しようって男性から誘われたら断りますよ、いくら信用してるからって。それに、龍と話してる時の瑠奈さんってとっても楽しそう」

「そ、それは・・・」

その時、龍が戻ってきた

「よぉ、何の話だ？」

「あ、龍」

「りゅ、龍！？」

「・・・どうした？瑠奈」

「あ、え、い、いや・・・・・何でもない・・・」

・・・変な奴

「りゅ、龍・・？」

「あん？何だ？」

「！・・・な、何でもない・・・」

？・・・何だ？

「・・どっか目的地でもあるの？」

「うん？そうだよ」

散歩って言ったけどね・・・

「ど、どこに行くの？」

「あぁ・・姉ちゃん家(ち)、かな」

言うならば・・だけど

こいつらには・・言ってもいいけど黙っておこう

「お姉さんの家・・？」

「龍にお姉さんっていたっけ？」

「まぁ、血筋は違うけどな、親戚の家だからさ。義理・・ってわけでもないから・・・」

何だろうな・・・

「・・・・・・ま、姉のように慕(した)ってたってことかな」

「そんな人がいたんだ・・・」

「でも過去形って・・？」

「あぁ・・二、三年前までは夏休みのたびにあいつん家(ち)に遊びに行ってたからな」

それに中学からは呼び捨てだったし

「あいつの家はお前らの好きそうなもんだと思うぞ」

「へぇー、綺麗なのかな♪」

「・・ま、住んでる人見たらびっくりだがな・・・」

ギャップというか・・・

「ゆうかって優しいに香るでしょ？」

「・・・勇ましい華だ」

「い、勇ましい・・？」

「華・・？」

可憐な容姿に勇ましい性格だからなぁ、あいつ・・・

「まさにぴったりな名だよ・・・」

「そ、そうなの？」

「名前にピッタリな女の人って・・・」

悪く言えば怪力女、よく言えば姉御、って感じか

「っと、ここだ。勇華ん家(ち)」

「え・・ここ・・？」

「かわいい家・・・」

コン、コン・・・コン

「・・・・・」

ガチャ！

「龍君！」

いきなり龍に女性が抱きついて来た

「煙霧(えんむ)さん」

「・・・・龍？もしかして・・この人？」

「違ぇよ。この人は・・・ん？・・煙霧さん、酔ってますね？」

「えへへ・・龍君温かーい」

「はぁ・・この人は・・・」

とりあえず家の中へ入る

「で、この人は・・？」

「あぁ、この人は煙霧みやさん。勇華の母親だ」

「母親！？」

おぉ！

ハモった

息ぴったり

「若くない！？」

「この人、十六で勇華(こども)産んでるからな」

「すごい・・・」

「ちなみに酔うと知り合いならば抱き付く、抱きつき上戸(じょうご)」

「へぇー・・・」

これで五度目だ

小学ん時からだもんな・・・

「う？龍君♪」

「なんです？」

「そういえば家に用があったんじゃ・・？」

「そうですよ。俺は勇華に用があります」

ていうかそろそろ離れないかな・・・

「・・私じゃなくて・・？」

「あんた人妻だろ」

「あはは、そうね。勇華ちゃん、許婚の龍君が来たわよ」

「い、許婚！？」

第十八章　終