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第十六章 引越しと同居?

「お前、(うち)に住めよ!」

「え、えぇ!?」

(うち)ならお前んちから近いし学校からの方向も同じだからたまたま同じ時間になったって事に出来る。うちからが一番安全だ」

「で、でも・・・」

「ん?何だ、うちはいやか。なら他に・・・」

「い、いや!・・・龍の家(ここ)でいい・・・」

・・そうか

それなら

「よし!明日瑠奈の引越しだ!ルル手伝えよ!」

「うん!」

「っとその前に、ふあ〜〜〜・・相当眠ぃから寝るわ・・・おやすみ〜・・・」

「あ、うん・・おやすみ・・・」

「そうだ。俺の部屋には絶対に(・・・)入るなよ!」

「う、うん」


午後二十三時二十分

女子らが泊まっている部屋にて

「・・やっぱり気になる・・・」

「な、何が・・?」

「何がって龍の部屋に決まってるでしょ」

「んー・・確かに私も彼の部屋には入った事あるけどここまで拒むのは・・・」

「行こうか・・!」

「ダメです!」

「ルルちゃん・・なんで?」

「・・人の部屋に無断でしかも入るなって言われてるのに入るのはいけません。それに龍は午後二十三(じゅういち)時から午前三時までは絶対に入るなって言ってたし・・・龍の寝起きはきっと世界一悪いし・・・・部屋に行って起こしちゃったらどうなるか分からないし・・・」

「・・・・・そこまで言われると・・・」

「やめとこっか・・・」

「うん・・・」


翌日

「いいのか?竹内。昼飯ぐらい食ってけよ」

「ううん。父と母が予定を変更して家族水入らずで旅行に行こうって言ってたから準備しないと」

「そうか。またな」

「うん。ありがとう。じゃあね」

・・ニコニコしてたな

きっと・・家族と一緒の時間が少ないんだろうな・・・

「・・じゃ、じゃあ櫻井さんの引越しでも・・・」

「バカ。いきなり引越しなんてダメに決まってるだろ?」

「え、でも・・二人とも了解してるし・・・」

「あと必要なのは親の承諾だ」

「あ・・そうか・・・」

・・・・・こいつ・・・

「じゃ、行くか」


櫻井宅

「・・・・・・」

「どうしたの?櫻井さん」

「え、あ、うん・・・・ちょっと・・・」

・・そりゃいきなり飛び出してきたんだから・・・

「大丈夫だよ。心配すんなって」

「でも・・・連絡だってしてないし・・・」

「昨日坂野が見つかって火炎の家に居るって連絡したって電話で言ってたから大丈夫だよ」

「・・・・・・・・」

・・・・ピンポーン

「え、えぇ!?」

「・・はーい」

「ちょ、ちょっと!」

「じれったいんだよ」

「・・・・瑠奈!」

「お、お母さん・・・」

・・・この人・・・・・・

こんなキャラだったっけ・・・

「心配したのよ!瑠奈!」

この人は櫻井優睹(ゆうと)

元警察官

「火炎君、ありがとうね」

「いえ・・こんなの・・・」

「・・・あの、お母さん・・・・・龍も一緒に、話しがあるの」

「・・・わかったわ。火炎君、あがって」

「はい」


「・・で、話しって何?」

「あの・・その・・引越しのこと・・・」

「・・・その事・・決まったの?」

「・・うん・・・・・私・・ここに残る・・・それで・・・」

・・あ゛ぁ!!

じれったい!!!

「瑠奈を俺の家に住ませます。(うち)からなら・・・」

「火炎君は黙ってて!!これは家族の問題なの。・・・悪いけど・・・」

「・・・分かりました。俺は席をはずします。俺が聞けるのは最終決断のみですから」

「・・・ごめんね、火炎君。ありがとう」


ガチャ

「あ、龍・・・どうしたの?」

「・・俺の権利は最終決断を聞くだけだからな」


「・・なんで龍に怒ったりしたの?」

「私はあなたの口から聞きたいの」

「・・・・・・・・・」

「・・話してくれるかしら。あなたの答えを」

瑠奈の答え・・・それは彼女の本当にしたい事

彼女のしたい事、答えは・・そう

「・・私の・・答えは・・・・・・龍の家に一緒に住みたい・・・」

「・・・そう・・・・・確かに彼の家なら安全でしょう。でも危険よ」

「危険・・?何で?」

「・・私が元警察官だったのは知ってるでしょ?その時彼は小学二年生で、その時始めてあったの。警察署でね。・・・彼はその年で罪をつくってね」

「罪を・・・?」

「そう、犯罪者として私は取り調べで会ったの。当時火炎君はすごい荒れててまるで幻想のドラゴンのようだった。それと彼の名前と『ドラゴンの息吹(いぶき)』のような彼の力とで彼に双名(ふたつな)が出来たの」

「フタツナ・・・?」

「そう。双名(ふたつな)は基本、凶悪犯しか持たないもう一つの名前なんだけど、火炎君は小さかったのにとてもひどい罪を犯した。だから双名(ふたつな)がつけられたの」

双名(ふたつな)は例えるなら昔多くの人を切り殺した大犯罪者、ジャックにつけられた『切裂きジャック(Jack the Ripper)』のようなモノだ

「それで火炎君につけられた名は『龍の息吹(Dragon Breath)』」

「ドラゴン・ブレス・・・龍の息吹・・・・・」

「・・もうこの名は全国に知れ渡ってる。双名(ふたつな)を持ってる人はそれだけで危険なの」

「でも龍は自分の事を傷付けてまでみんなを助けてくれた!・・今の龍はとても・・とっても・・・誰よりも優しいよ・・・」

「・・そうね・・・確かに今の彼には人並み以上の優しさがある・・・・・双名(ふたつな)がいい隠れ(みの)になるかもね」

「・・・じゃあ・・・」

「えぇ、いいでしょう。瑠奈の熱意に負けたわ」

親は子の熱意には勝てない

それが親というモノです

「でも、何で残りたいの?」

「え・・なんでって・・・・」

「それに何で彼なの?」

「そ、そりゃ龍は優しいし強いし・・安全だから・・・」

「・・・うそ」

「え!?」

「私を誰だと思ってるの?あなたの母親よ?あなたのうそくらい分かるわ。癖があるもの」

瑠奈の癖はうそをつく時必ず右手で左肩を抱き寄せるようにつかむ仕草です

「本当は?あなたの本心を聞かせてほしいわ。二つの答えは同じはずよ」

「・・・わ、私は・・・・龍が・・・・・・・・好き・・・」

「ん?」

「私は・・龍が・・好き・・・離れたくない・・・」

「それで?」

「ずっと・・一緒に、いたい・・・」

「・・・うふっ・・そう。それがあなたの答えよ、瑠奈。・・さて荷造りなさい」


「へぇー・・二人にそんな事が・・・」

「まぁ俺は犯罪者で優睹さんは警察だけどな」

「火炎君、最終決断の報告」

「・・はい」

「・・・火炎君、瑠奈を、娘をお願いします」

そういいながら優睹さんは俺に深く頭を下げた

「・・優兎さん・・いいんですか?双名(ふたつな)を持つ俺の家で・・・」

「えぇ、あなただからいいのよ。かわいい娘だから」

「俺が一番無害ですか?」

「えぇ。あなたは瑠奈に手を出したりしないでしょ?」

「・・当たり前じゃないですか」

俺の恩人の娘なんだから・・・


「瑠奈」

「あ、龍。ごめんね、世話になっちゃって」

「違うな」

「え?」

「そこは「ありがとう、住ませてくれて」だ」

まぁ、まだ引越しの準備の途中だけど

「・・・ありがとう!」

「へへっ・・さて、手伝うか。ルル」

「わかってる」


「ふぅ・・こんなもんか?」

「うん。ありがとう」

「じゃ、運ぶぞ」

「うん」


第十六章 終

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