第十章 海へ行こう!前編
斬砲の特訓が終わり一週間がたった
ある日突然
「おっす炎」
「こんにちわ。龍君」
函崎、朝原、中山が家に来た
「何だよみんなそろって。またなんかイベントでもあるのか?」
「おぅ!その通りだ。明後日みんなで海行く事になったんだ」
「それで龍君も行くか誘いに来たってわけ」
「海かぁ・・・」
「久しぶりでしょ?」
「あぁ・・まぁな・・・」
海なんて小学一年時に一度行ったっきりだもんな・・・
「お前の従妹も誘っていいぞ」
「・・そうだな。俺も行く。ルルにはあとで誘ってみるよ」
「わかった。じゃあな」
「あぁ、また」
・・・帰んの早ッ!
「あれだけなら電話にすりゃいいのに・・まぁいいか。ルルー」
・・・返事がない
まだ寝てんのか?
「ルルー?」
「スー・・・スー・・・」
「・・寝てんのか・・・」
起きるまで待つか
俺はその間暇なので居間で本を読むことにした
「・・・・・・・・・」
十分後
「・・・・・・・・・・」
二十分後
「・・・・・・・・・・・」
三十分後
「・・・・・・・読み終わったな・・」
次は何する・・・
ドン!
「ん?」
何かが背中に・・・
「・・ルル!?」
「んー・・・・スー・・・スー・・・」
寝ぼけてるのか・・・
「りゅう・・・」
「・・・寝ぼけて呼ばれてもなぁ・・・」
返事の仕様がねぇ
「ルル。ほら、起きろ」
「ん・・・・龍?あれ?何でここに・・・?」
「寝ぼけてこっちまで来たんだろ。それより離せ」
「へ?・・え!?あ、ご、ごめん!」
「いや、寝ぼけてたみたいだから許すよ」
でもちょっと心地よかったかな・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
ルルめ・・・
着替えろよ・・・
俺こういうの嫌いなんだよ・・・
シャキッとしたら着替えろよ・・・!
「・・・似合うな」
「え?」
「それ。似合うな」
「・・・・!!き、着替えてくる!」
ルルは顔を真っ赤にして着替えに行った
「・・必殺。女子を着替えさせるための冗談。なんてな」
十分後、ルルが戻ってきた
「どうした?顔が真っ赤だぞ?」
「さ、さっき変な事言うから!ちょっと・・・好きに・・・・・」
「ん?なんて?」
最後のほう聞き取れなかったな
ドラゴンの聴力でも聞こえないとは・・・
「な!なんでもない!!」
「?変な奴・・・・・ま、それはそれとして。さっき函崎たちが来てな。明後日海に行こうだって」
「海?」
「あぁ。ルルはどうする?」
「海かぁ・・しばらく行ってないなぁ・・・」
・・口は行きたいって言ってるけど・・・
「どうするんだ?」
「でも水着とか持ってきてないし・・・やめよかな・・・」
・・そんな事か・・・
「だったら買いに行けば?金は出すぞ?」
「・・・いいの?」
「あぁ」
「・・・じゃあ行く。その代わり・・・」
「何?」
「そ、その・・・」
・・・なんでまた赤くなる・・・
「み、水着試着するから・・み、見て、か、感想を・・・」
「言えばいいのか?・・わかった」
「・・・・・・」
???
と言う事で俺たちはデパートの服屋に来ていた
服屋は夏なので水着を売っている
今は店の半分が水着である
今ルルは試着室にて着替え中
にしても・・・
「女子用水着売り場に俺が一人でイスに座ってるってのが恥ずかしいな・・・」
こういう事は予想しておくべきだった・・・
しかし・・・
『ドラゴンの力がそんなものだったとは・・・』
あのイフリートの言葉・・・何か引っかかる・・・
奴はドラゴンの真の力を知っていたのか・・?
「りゅ、龍?」
「ん?着替え終わったか?」
「う、うん・・・」
・・・・・またしても顔が赤い・・・
「恥ずかしがってないで見せろ。感想が言えねぇぞ」
「・・・・・・・」
ルルは恥ずかしながら、という感じでカーテンを開けた
「・・・・・・」
「・・ど、どう?」
「・・・と・・とてもよくお似合いで・・・」
俺はルルから顔を背けた
やべぇ・・かわいいかも・・・
「・・・・・そ、そう?」
「・・・・あ、あぁ・・・か、かわいい・・ぞ」
「・・・・・・・」
ルルは試着室のカーテンを閉めた
・・・俺まで顔が赤くなってる気が・・・
ルルが試着室を出、レジに行ったその時
「あ、ねぇちょっと。あの子ハンサムじゃない?」
「あ、ほんとほんと!声かけちゃう?」
なんだ?あいつらは・・・
「ねぇ君ぃ、いくつ?」
「俺は十七だ」
「私たち二十歳なの。ねぇお姉さんたちとどっか行かない?」
「大人の付き合いを教えてあげるわ」
・・・うぜぇし・・・
「どっか行けよババァども」
「ば、ババァなんてレディに向かって失礼ね。まだ二十歳のピチピチよ?」
「るせぇ。俺にとっちゃ二十歳でも年上。ババァに変わりは無い。逆ナンしてねぇで大学にでも行って知識もっとつけろよ。アホ!」
「!行こう。こんなガキと何ていたくないわ」
「そうね。行きましょ」
ケッ!
どうせ男何人もいるんだろうよ
「龍」
「買ってきたか?」
「う、うん」
「じゃ帰るか」
「うん!」
第十章 終