第一章 ドラゴンの使命
俺は火炎龍
高校二年になって一ヶ月経つ
俺は誰も知らない秘密を持っている
それは・・・
「・・!!出たな・・・空間術、異次元の扉」
俺はその扉の中に飛び込んだ
「ドラゴンはどこだ」
「・・なんだ・・またトロルか・・・」
「ドラゴン・・・見つけた」
翼と爪で十分だな
「うあぁあぁぁぁぁあぁ!」
「龍爪」
「ぐあ・・・」
龍翼!
「どこだ!?」
「上だマヌケ。咆哮!」
「あぁーーーーーーー・・・」
どさッ・・・
トロルは灰となって消えた
そして俺は異次元の扉から現世に戻った
「ふぅー・・・今度のも弱かったな・・・」
俺の家系、火炎一族は二百年に一人、ドラゴンの力を持ち生まれてくる・・・
俺は名前のとおりの火炎龍
ドラゴンの力を持った人間・・・
この運命は神のいたずらだったのだろうか・・・
ここは俺の通う鷹三沢高校
「おっす」
「あ、火炎君。おはよう」
「今日はゆくっりだったな、火炎」
今返事した二人は中山志穂と函崎智晴
二人とも俺の友達
「・・・なぁ、俺の事は火炎じゃなくて炎か龍って呼んでくれよ。俺は火か」
「わかったわかった」
「ほら席につけー。朝のホームルーム始めるぞ・・って火炎はどこだ?」
「あれ?今までいたのに・・・」
異次元の扉!!
「っと、寒っ!・・今度はどいつだ?」
「ぅー・・・ぅー・・・ぅー・・・」
何うなってるんだ
「雪男か・・・」
不気味な・・・
「ドラゴン・・・殺す・・・」
「るせーっ!」
火炎、連撃!
「ハァーーッ!」
「グ・・・ドラゴン・・・殺す・・!」
「なッ・・・」
こいつ掴みやがった・・ッ!
「スゥーーー・・・」
なッ・・・まさか息!?
これで雪息を喰らったら・・・
「ふぅーーーーッ!!」
「ぐ・・・」
やべぇ・・凍死しちまう・・・
・・・体内発火!!
これで少しは・・・だが
「お前には炎の恐ろしさ教える必要があるな・・・」
烈火、乱炎撃!!
「ぉらーーーーッ!!」
死ねッ、滅多打ちだーーーーーッ!!!
「これで・・終わり!!」
・・・・消えたか
俺は雪男を倒してクラスに戻っていた
「あれ?炎君震えてるけど・・どうしたの?」
こいつは朝原ひより
一応俺の友達
噂では俺に好意を寄せているらしい・・・?
「いや・・ちょっとな・・なんか寒くて・・・」
こ、これは雪男の呪いか!?
体内発火してんのに全然寒ぃ!!
「・・・・・・・」
「・・フゥ・・フゥ・・」
ガタガタガタガタ・・・・・・
「・・うりゃ!」
「ぅわッ!」
朝原が後ろから俺に抱きついた
「な、何だよ!」
「寒いんでしょ?だからひよりが温めてあげる♪」
・・・あれは本当だったのか・・?
「離せ」
「いやだ♪」
・・・体内発火、温度上昇
「離せ」
「もうちょっと♪」
・・最大温度!!
「・・!?」
「はなせ!」
「・・は〜い・・・」
ったくやっと離したか
「・・・・・・」
「何落ち込んでるんだ」
「だって・・いきなり体温が上がっちゃうんだもん・・・もうちょっと抱きついてたかった・・・」
こいつ・・・・・あの噂・・マジか・・!?
「ただいま」
俺は自宅に帰ってくると
「おかえり、龍」
「お、伯父さん!?来てたんですか!?でも玄関には靴は無かった・・・」
「驚かせるために靴箱に入れさせてもらったよ」
この人は俺の父さんの兄、火炎拳
伯父さんはもちろん俺のことを知っている
そして彼も火炎一族の特殊な術でモンスターたちを倒してくれている
「今日は何か用で?」
「あぁ・・一つはこれだ」
そう言いながら金の入った封筒を俺に渡した
「いつもありがとうございます」
「いやいや、早くに両親を亡くして小学生の頃から独り暮らしをしてるから・・・伯父の僕に出来る事はこれしかないから・・・それに仕事が大変でバイトも出来ないんだろ?」
伯父さんの言う仕事とはドラゴンの仕事の事である
「はい・・いつも遅れたり来なかったりですぐ辞めさせられて・・・」
「それは大変だね・・・あと、電話代、電気代、水道代、ガス代なんかも払っておいたからね」
「ありがとうございます!」
やっぱ伯父さんは優しいな
「それともう一つ、用があってね」
「はい・・・なんですか?」
「君はずっと魔物やモンスターを倒してきたよね?」
伯父さんの目つきが変わった
「はい」
「最近では魔神やドラゴンなんかも動き出してきているんだ」
「な・・・ッ!」
魔人やドラゴンだって!?
今までそんな奴らとは一度も戦っていないのに・・・
「それでだ。そいつらを異次元から出さないためには君のそのドラゴンの力を使うしかない」
「ドラゴンの・・力・・・」
「君は今まで異次元から出さないため力と判断力を使ってきたね」
「はい」
「魔物とモンスター相手ならそれでいい。だが魔人やドラゴンとなるとそれだけでは倒せない」
「!!」
判断と力では倒せない・・・
マジか・・・
「そこで今日だけでいい。五感をさらに鋭くする特訓を受けてもらう」
「五感・・・?」
五感とは視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五つの感覚のことを言う・・・
でもそれが何に・・・
「君はほとんど視覚に頼って戦ってきた。しかし魔神やドラゴンはモンスターと違って動きが速い。それを目で追っていては混乱してしまう。だから視覚に頼らずに戦う戦い方を記憶し、マスターしてもらう」
「でもその間魔神やドラゴンはどうすれば・・・」
「大丈夫。魔物やモンスター相手なら僕でも倒せる。それに魔人やドラゴンは今日は動かないよ」
伯父さんは感知の術を得意としている
その伯父さんが言うなら問題ないだろう
「わかりました。でも今日だけでいいんですか?」
「君は記憶力がいいし自分の力を熟知している。そして明日からは魔神やドラゴンが動き出す。学べるのは今日しかないんだ。受けてくれるね?」
「はい!」
今日しかない
急がねぇとな
「でもどこでするんですか?」
「場所はあるよ。空間術、異次元特殊訓練所」
「・・・ここは・・・?」
「ここは火炎一族のドラゴンを訓練するために作られた場所だよ」
ここで特訓を・・・・
「ってドラゴンいますけど!?」
なぜ!?
「大丈夫だよ。あれはロボット。感触などはちゃんとあるから特訓にはもってこいだよ」
ロボットか・・・
「壊してもいいんですか?」
「うん、いいよ。でもあのロボット・・・」
「龍爪牙!」
ダッ・・・!
「行っちゃった・・・」
「ぉらッ!」
スカッ・・・
「はずした!?」
今完全に捉えたはず・・・
ビュッ!
「な・・・ッ!」
こいつ尾で攻撃を・・・
「ぐッ・・・ッテーーー・・・」
「ちゃんと説明を聞いてから行きなさい」
「はい・・・」
「あのロボットは今はこっちが何もしなければ襲ってこないようにセットしてあるがセットを変えればすぐにでも襲ってくるから気をつけて」
そういう仕組みだったのか・・・
道理で今は襲ってこないわけだ
「あのロボットは速さが普通のドラゴンよりも速く出来ていて息も使う。そして動きはドラゴンそのものだ。気をつけて」
「はい!」
「・・始め!」
ロボットの眼が赤く光りこっちを睨んでいる
「まずは相手の攻撃を避ける事から」
そしてロボットが突っ込んで来た
「こんな攻撃避けるのなんて余裕!」
俺は上に跳んだがロボットは俺の下で止まり宙返りした
「なッ・・・!!」
俺はその尾の直撃を喰らった
「何だこの痛み・・・高速で回転してるバットをまともに喰らったようだ・・・」
回転して遠心力で力が増しているのだろうか
「目で追っていちゃだめだよ」
・・・目で追ってはいけない・・・
「なら・・どうやって・・・」
しかしロボットは容赦無く攻撃してきた
・・・!!
一時間後・・・
「ハァ・・・ハァ・・・」
俺の体はロボットの攻撃を喰らい続けボロボロだ・・・
・・だが・・!!
「ハァ・・・ハァ・・・ッ・・・・・・・・・」
「・・気づいたみたいだね」
・・・・・・・・・・・・
「耳で風の音を聞き」
・・・ビュ・・・・・
・・・ビュン・・
「肌で風の流れを知り」
ヒュン!
「!そこだ!!」
龍爪!
「鼻で敵の位置を知る」
「はぁああぁぁあぁあぁああ!」
バギッ!!
「・・うん!完璧だよ。特訓は終了」
「ふぅ・・・」
俺たちは特訓場から出て
「特訓はもうしなくてもいいけど魔神やドラゴンと戦う時は気をつけてね」
「今日はありがとうございました」
「僕に出来る事があったらなんでも言ってね。おやすみなさい」
「はい。おやすみなさい」
俺はドラゴンとして異次元から魔物やモンスターが出てきて暴れぬよう異次元で消す使命がある・・・
そして今度は魔神やドラゴンと戦う事になるだろう・・・
第一章 終