__己の望みを命とかえ契約を結ぼう____
これは、ある少年と少女の物語。
少女の目に映る世界は、とても残酷なものだった。ただ、誰かの幸せを願う。自分は不幸になっていいから、どうかみんなを幸せにしてください...と。
昔から、何でもできた少女 神城 爛は、生まれた時に母は亡きものとなり、7歳の誕生日には父が意識不明となった。
ごく普通の生活を送っていた爛は両親がいない家で大好きな兄と共に生活していくこととなった。
そんなある日、兄が行方不明となった。
泣き崩れ、恐怖に堕ちる。
「もう、こんな世界無くなってしまえばいいのに。」
何度そう思っただろうか。
その日を境に彼女は思った。
自分がこれだけ不幸なら誰かがその分幸せなんじゃないかと。
誰かが幸せになることはいい事だ。それを恨んではいけない、私のおかげでその人が幸せになるなら...私も幸せだ。
歪んだ思考。崩れた生活。
彼女は世界に何を思うだろう。
さぁ、目を開いて
この世界と見つめあって
この世界は何で出来ているのか思い出して。
世界は幸福と不幸で出来ている。
人は必ず幸せを求める者。
神様...あぁ、神よ...我に幸福を...。
人は必ず不幸を与えるもの。
神様...あぁ、神よ...あの人へ不幸
幸福も不幸も、どちらが欠けてしまえばなくなってしまう。
そうでしょう?
一人の神様は、世界中の願いを叶える事に疲れてしまいました。
例え、誰かを幸せにしたところで別の誰かが不幸になる。
1人で全てのバランスをとることなんて不可能なんだ。
「ならば、造ってしまえばいいんだ。この世界のバランスをとるための世界を...。」
一冊の書を持ち、神は唱えた。
この世界を元とし、幸せを与える世界と幸せを奪う世界を造るために。
神は、満足そうにチェスの駒を持つ。
「我の仕事は彼らに任そう。そして、彼らには平等の力を与え、お互いに支えあってもらおうか。」
二つの世界に支えられる中心の原世界。
全ては、神のまじないで形成され崩れ始める...。




