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事の経緯 / 輝く日々
まとめると、三波の話はこうだった。
三波はつい四ヵ月前に転校してきた。なぜ出来たかは、三波自身にも分からない。ただ、偶然、そうできたらしい。そこから正一と源二の二人と仲良くなった。噂がぽつぽつと流れ出したのは一ヶ月前ほど。今までそんな話がなかったこの土地に、まるで飛んできたかのような噂だった。
三波は人当たりがよくてクラスにすぐ馴染んだが、その中でもひふみトリオでよくつるんでいた。それは、正一が昔の思い人にそっくりだったから。
三人で過ごすうちに、この日常をいつまでも繰り返したいという思いが強くなり、霊力が知らぬ間に暴走して、『穴』を作ってしまっていた。
『穴』の開く条件は、『些細でも過去に未練をもっている』こと。そのため、時折そこを通る人が消えてしまった。同じことがある程度発生したことから、噂となった。
そして三波は、過去に戻って何度もこの日常を繰り返そうと決意し、二人に『穴』探しを申し出た。
と。そういうことだった。




