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事の真相 / 遠き昔の七不思議

「もとはね、私も普通の人だったんだ。だけど、私は少し体が弱くてね。変な病気にかかって、いつの間にか死んじゃって、知らないうちに幽霊になっちゃってた。

一年くらい前に、やっとそれが分かった。死んでから自覚するまでの記憶は、全くなかった。

それから、学校に向かってみたら、ちょうど部活が終わる夕暮れ時で、生徒達が、楽しげに話ながら帰る姿を見たの。

だからかな。それを自覚したときに、あの頃に戻りたい。また友達と、日常を送りたいって思ったの。そしたら」

「つまり、」

正一が食いぎみに口を挟む。

「おまえは、とっくに死んでるのか?」

また一粒涙を流して、三波は頷く。

「だって、そんな、誰かが死んだなんて最近はまったく」

「当たり前だよ」

焦る正一に、三波は冷静を返す。その声の落ち着きように、正一は次の言葉を発することができなかった。

「私が死んだのは、もう三十年以上も前のこと。そんな私のこと、今の生徒達が知るわけない」

語られなくなった七不思議。彼女は確かに、そう言った。

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