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白い空間 / 事の真相

今までは暑い夏の日の、エアコンが効いた教室だったが、今、正一がいるのは白い空間。辺り一面真っ白の空間。そしてその空間の中で黒い実線に囲われた、縦横約十メートルの立方体の内部。

目を左右に振って、分かったのはその程度だった。

ふと前に向き直ると、少し離れて誰かが立っていた。

服装はうちの学校の女子の制服。顔を見なくても、その出で立ちで分かった。何度となく見た、何度となく救おうとした、何度となく、いなくなって苦しくなった。

......三波だ。

「正一、もう十分だよ」

その顔には、幾筋も涙が流れた跡が残っていた。そして今も、一粒。また一粒と涙が伝っていく。

「三波、こんなところにいたのか。さあはやく帰ろう」

正一は手を伸ばして近寄っていく。

が、三波はそれに反比例して遠ざかっていく。

「......なんでなんだよ?」

怪訝な表情を浮かべる正一に、そうだよね、わかんないよねと三波は言う。

「実はね、これが私なの」

一瞬静寂が場を支配する。

次の瞬間、

「は?」と正一は疑問符を飛ばした。

「私自体がこの噂で、この怪奇現象で、この空間で、この体の元凶なの」

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