後悔
「爆死おつ」
「情報が早いな馬鹿野郎」
翌日の朝、後悔を胸に正一はいつもの通学路を歩いていた。
よくよく考えてみれば、あの別れ方は最悪だった。
いきなり近づいて、頭をいきなりぐっちゃぐちゃにした挙句、訳分からんことを言って去っていった。
意味不明以外の言葉が見つからない。
あの時の三波の動揺も今なら納得できる。自分でも絶対ああなる。
冷静に考えれば考えるだけあの時の自分を殴ってやりたいという思いが強くなっていった。
「まあまあ、最初は確かに肝心だが、それだけが全てじゃないんだぜ?」
「確かにそうかもしれんけどさあ」
正一の頭に一発チョップを入れてから、源二は続けた。
「そんな辛気臭い顔してると、余計会いにくくなるぞ。ほれ、笑顔笑顔」
快活な笑顔を向けてくる源二に、笑顔を返すと、瞬時に噴き出された。
「あっひゃっひゃっひゃ! なんだよその顔! おっかしー!」
「てめえ、自分で言ったんだろうが!」
殴ろうと振った右腕は空を切り、源二の姿を目で追うと学校に向かって全速力で走っていった。
「待てやコラ!」
正一も、負けじと後を追っていった。
肩から掛けたカバンを揺らしながら。
周りの視線なぞ、一切気にせずに。




