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五月四日(木・2)。言葉と、肌で。

 詩乃梨さんが朝食の準備をしてくれている間、パジャマでないてきとーな部屋着に着替えた俺は、いつもの位置に腰を落ち着けてリモコン片手にテレビのチャンネルを回していた。お目当ては天気予報であり、もっと言うなら快晴もしくは晴れの予報だ。


 だが、いくら未練がましく望みの予言を得ようとしても、それはついぞ叶わず。チャンネル巡り四周目を惰性で漫然と走りながら、とうとう匙を投げるような気持ちで声を投げた。


「んー、やっぱどこも雨っぽいわ」


「ずっとー?」


「うんにゃ。一応、GWラス日の午後か夜あたりに晴れるかどうか、ってとこ」


「それ、ほとんどずっとじゃん……」


 憂鬱そうに溜め息を吐き、焼けた卵を投げやりにフライパンから引っぺがす詩乃梨さん。俺の台詞になんだか予想以上にダメージをくらっている様子なのは、きっと、彼女なりにお出かけの予定があったからなのだろう。もしくは、またあの娘達をウチへ招こうと考えていたのだろうか。どちらにせよ、朝っぱらから室内灯に頼らなければならないレベルで文字通りに暗雲立ち込めてるこの悪天候では、流石に順延・中止せざるを得ない。

 

「……一応聞くけど、雨天決行しなっきゃらならない用事があるわけではないよな? もしあるなら、俺頼ってくれていいけど? むしろ、頼れ」


「…………こたろーが、ちょー俺様だ……。俺様なのに、言ってる内容はあいかわらずお砂糖まみれ……。さすがは、こたろー。ゆるぎない男……」


 詩乃梨さんはちょっと嬉しそうに俺を褒め称え(?)ながら、出来上がったばかりの二人分の朝食を食卓へと運んでくれた。今日のメニューは、トーストとベーコンエッグ、付け合わせのサラダ、それとあったか~い缶コーヒーだ。これぞまさにザ・モーニングセットって感じ。

 詩乃梨さんみたいな女子高生の中でもややちっこい部類の子ならともかく、俺みたいな働き盛りの男にとってはやや軽すぎる朝食に思われることだろう。だが元々朝は歩きながらてきとーに食ってたような俺なので、むしろこれくらいがちょうど良いのだ。ちなみに、卵が当然のように半熟なのも、俺の好みを完璧に把握してくれている詩乃梨さんならではの心遣いによるもの。なんで俺達結婚してないんだろう。不思議。


 そんな不思議もリモコンもベッドにぽいっとほっぽり出して、俺は早速「いただきまーす!」と手を合わせた。詩乃梨さんも「ん、めしあがれー」なんて微笑みながら俺の傍らに腰を下ろし、二人仲良くあったかいご飯に舌鼓を打ち始める。なんで俺達結婚してないんだろう。この世はでっかい摩訶不思議。


「………………あ、悪ぃ」


 供された甘露に心奪われるあまり、テレビが点けっぱなしのままになってることに気付かなかった。電気の無駄遣いって怒られちゃう前に速攻謝り、詩乃梨さんの身体を避けてベッドへ「よっこら、」と手を伸ばす。


 そしたら、俺の意図を汲んでくれたしのりさんが「、しょー」と台詞を引き継いで、リモコンを取って手渡してくれた。なんで俺達結婚して以下略。


「あ、こたろー待って」


 さっさとテレビを消そうとした俺を、詩乃梨さんがちょっと慌てたように制する。リモコンの上で重なる、俺と彼女の手と手と心。なんで俺達以下略。あとなんでちょっと待ってコール?


 待てと言われれば世界が滅亡しても待ち続けることに定評のある忠犬俺は、ひとまず詩乃梨さんの視線の先を追ってしばし番組を眺めた。


 先程の天気予報タイムは既に終了しており、今は国内最大の遊園地からのライブ中継が配信されているようだ。まだ開場前、しかもこんな雨の中だというのに、徹夜組を含む超超超絶長くて太い行列が何本も形成されていて、そんだけ大人気の某ネズ公マジパネェって内容らしい。

 カメラに映ろうとはしゃぐ若い男女達や、一緒になってアゲアゲになってる女子リポーターさん、みんな楽しそうでいいっすね。正直、別に遊園地好きでもなく行列嫌いの俺にとっては完全に別世界の出来事であり、画面越しにどんだけ楽しそうな顔見せられても「ほーん」と相槌打ちながら鼻くそほじほじするくらいの反応しか返せないけど。いやほじらねぇよ、隣に詩乃梨さんいるし。


 ………………ん? もしかして詩乃梨さん、


「遊園地、行きたいの?」


 遊園地と詩乃梨さんという、予想外すぎる組み合わせ。半信半疑ではあるものの、脳内で現地までのルートと近場の宿泊施設と予算と時間を瞬時に計算しながら問うてみた。


 だが、詩乃梨さんは微塵も思ってもいなかったことを言われた様子でふるふると首を横に振る。我が計画、瞬きより疾く水泡に帰す。


「わたしが遊園地とか、行くわけないじゃん。あんなお金いっぱいかかる上に、騒がしい人ばっかりいて、全然のんびりできなくて疲ればっかり溜まりそうなとこ。………………こたろー、もしかして行きたいの?」


「いや、俺が遊園地とか行くわけないじゃん。あんな金いっぱいかかる上に、騒がしい連中ばっかいて、全然のんびりできなくて疲ればっか溜まるとこ。………………でもまぁ、詩乃梨さんと一緒なら、いつか一回くらい行ってみるのも悪くないかなって」


「………………………………………………い、いつか、いっかいくらいなら、ね? まあ、うん。わたしも、まぁ、うん、いいかなー、とは、うん、まあ、ね? いつかね、いつか、うん」


「……そ、そうか。いつかか。まあ、いつか、一回くらいなら、まあ、うん、うん」


 二人してネガティブな感情しか抱いていない場所であっても、二人で一緒に行くとなると途端に満更でもない感じになってしまい、照れくささでどもりながらはにかみ笑いを浮かべ合ってしまう土井村夫妻なのでした。俺達もうこれ既に結婚してるということでいいんじゃないでしょうかどうでしょう?


 でも残念ながら、結婚するのも遊園地行くのも、いつかであって今ではないらしい。ひとまずテレビつけっぱのままで食事を再開しながら、話を仕切り直す。


「んで、さっきの『ちょっと待って』コールの理由は?」


「んー? ……あのね、話だけですぐ終わっちゃったんだけど、『ごーるでんうぃーく後半、みんな暇だったら、一緒に遊園地とか行けたらいいね』って。あやね達とちょっとだけ話してたから、気になっただけ」


「……………………話だけで終わっちゃったの?」


「ん。……わたしと、かやとか、あんまり乗り気じゃなかったし……。みんな予定あるから、たぶん時間も合わないし……。、だから結局、『どこかのたいみんぐで、あやねの家でまたちょこっとコーヒーとケーキしようか』ってなった」


 乗り気じゃなかったのあたりからしゅんと肩を落としていった詩乃梨さんだが、最後には持ち直して愛らしい笑顔を見せてくれた。「もちろん、こたろーも一緒だよ」という台詞と共に。


 ちなみに俺は、詩乃梨さんの無垢な想いとは逆にドス黒い理由によってにっこにこである。みんなとの遊園地は『行くには行くけどあんまり乗り気でない』みたいな感じの詩乃梨さんではあるが、俺と一緒ならば『いつか行きたい』と積極的に言ってくれるのだ。ぐふふふ、詩乃梨さんの中での不動の一位はこの土井村琥太郎のものだぜ……。ああ、俺ゲスい……。お詫びに、みんなで遊園地行くって時は俺もついてってしのりんのテンションアップに貢献してあげよう。ああ勿論、二人きりのデートは別枠ですよ? これでしのりんと一緒の遊園地が二回は楽しめちゃうぞい、ぐっふっふっふ♪


「そっか、結構無難なとこに落ち着いたんだな。まあ、折角の休みなんだし、もうちょっと遠出してみてもいい気もするけれど。――たとえ雨でも、たとえみんなと一緒が無理でも、この俺がいつでもどこへでも喜んでお供するからさ」


 ゲスい本心を覆い隠してちょっとクサい台詞を吐き、あまりの臭さに照れ臭くなっちゃって、トーストをひと囓りして誤魔化す俺でした。ああ、焼けた小麦粉の何とも言えない香ばしい香りが鼻腔に満ち、臭い空気を押し退けて――






「わたし今生理だから、遠出はちょっと無理かも」






 ――そのまま鼻水をも押し退けて、『ずびっ』と鼻の穴から飛び出させた。


「………………………………………………………………………………………」


「……………………。あのね、わたし、今せ――」


「聞こえなかったから沈黙したわけじゃねぇよお願い繰り返さないでそんな普通の顔して言っていい台詞じゃないからフツーに繰り返すのやめてそれ俺みたいな非モテ男子的にはどう扱っていいものかわからない女の子特有のデリケートな生理現象だからちょっとだけ模範解答を教えてください情けなくてほんとごめんなさい」


「もはんかいとうって……。こんなの、それこそただの生理現象だよ。……こたろー、むだに慌てすぎ」


 マジでどうしていいのかわからなくて心底ガクブル震える俺とは対照的に、詩乃梨さんはほんとに『こんなのただの生理現象』って余裕の澄まし顔でセロリをもふりもふりと囓っていらっしゃる。


 …………マジか……。おいおい、女の子にとってのせ、せ、せ………………せ○りって、こんなふっつーの顔して口に出来る単語だったのか……? いや、そりゃ確かに言葉通りの生理現象なのでしょうけども……。でも、なんつーかこう、触れてはいけない神聖不可侵にして禁忌の秘奥、暴くべからざる女体の神秘的なものでしょ、せろりって(←錯乱)。


「……………………そ、そうか、生理現象か」


「ん。そう。汗とか、おしっことか、うん――」


「それ食事中に出していい単語じゃないからやめろぉ! ふしゃー! しゃーらっぷッ!」


「……ん、そだね。ごめんごめん」


 危うい所でギリギリ警告を発した俺に、詩乃梨さんは頭をぺこりと下げて素直に謝ると、またなんでもない顔でご飯の続きへと戻って行く。



 瞬間。ようやく俺は、確かな違和感を――、彼女の発したSOSを感じ取ることができた。



「…………………………………………」


 あまりにも、普通過ぎる。生理についての話だけなら『女性にとっちゃ本当にその程度のものなのかも』と思わされていたかもしれないが、少なくとも詩乃梨さんは、食事中にさらっと排泄物の話題を口にするようなデリカシーの無い女の子ではない。


 彼女のこの落ち着き払った澄まし顔は、努力と労力で繕われた――偽物だ。


「………………生理、来ちゃったんだな」


 生理。――月経。


 その現象に対して世の男はどんな反応をするのが正解なのか、俺には相変わらずわからない。けれど、生理が来るということの意味くらいは一応把握している。……『来ちゃった』と言われるより『来ないの』と言われた場合の方がピンと来るように思ってしまうのは、昼ドラの見過ぎだろうか。昼ドラとか全然見たことないけど。


 とにかく。生理が来たということは、つまり――。


「ん。赤ちゃん、まだできてなかった」


 と、詩乃梨さんの言った通りってことだ。……まあ、厳密にはまだ可能性が無いとは言い切れないかもしれないが、わざわざ例外を引っ張り出してくる必要も無いだろう。


「…………………そっか」


「ん。そう。……………………やっぱり、残念だった?」


 俺をちょいと見上げて首を傾けて見せてる詩乃梨さんは、残念も安心も読み取れない、相変わらずの澄まし顔だ。こうもおんなじ表情のままだとなんだか段々デジャヴ染みたものを感じてきてしまうが、それ以上に強いデジャヴを彼女の双眸に見た。


 人を観察する、猫の目。……俺の気持ちを推し量ろうとする、口下手な彼女のストレートな瞳。


 この眼をした彼女の前で、嘘や韜晦は許されない。『そんなことをしてはいけない』という威圧感によってではなく、『そんなのしたくない』という自らの想いゆえに。


 とは思うものの。


「うーん、そうだなぁ……」


 俺の返答は、まだ決まっているようで決まっていなくて、ついつい考え込んでしまう。



 残念かと聞かれればそりゃ残念ではあるが、安心したかと聞かれればそれもまた肯定するような気がする。勿論、もし妊娠したら絶対に産んでもらって幸せ一家を築くのは確定なのだが、それに付随する諸々の問題が現時点ではまだ解決に至っていない。学校とか、両親とかな。


 あと。万が一や億が一にも無い可能性ではあるけど、もし詩乃梨さんや俺が不妊体質だった場合には、あまり強く子供を望みすぎているとショックが計り知れない……という問題もある。まあその場合は一切気兼ねなく四六時中ナマで中出ししまくれるので、これもまたひとつの幸せの形としてはアリっちゃアリなのだろうけど。


 要するに。詩乃梨さんの妊娠の時期が今であろうと後であろうと、そもそも妊娠しようとしなかろうと、どのルートに進んだとしても、しあわせな人生を二人手を取り合って仲良く歩んでいくことは決定事項なのである。



 などとくっそ真面目につらつら考えていたら、いつの間にか詩乃梨さんが視線も肩も落として完全に落ち込んでしまっていた。失意のあまり、食べかけのセロリをこたつに落としちゃったことにも気付いてない様子。ありゃー、タイムアップしちゃってたか、こりゃ失敗。


 ひとまずセロリを救助してもぐもぐしながら、詩乃梨さんの頭をぽふぽふと撫でる。

 

「おい、詩乃梨」


「……………………………………また、呼び捨て……。……なんか用? あと、あたま、これやめて……」


「頭は頑なにやめませんことよ、おっほっほ! ………………あ、ごめん、もしかしてこれお腹に響く……? 生理中って、痛い……ん、だよね?」


 速攻でぽふぽふを中断しておそるおそる訊ねるも、詩乃梨さんはぷいっとそっぽを向いて黙り込むんでしまい、顔色を窺うことも解答をもらうことも叶わず。


 困った俺は、行き場を失った手でぽりぽりと頬を搔くと――、なんとなく思い立って、今度は詩乃梨さんの下腹部にそっと手を当ててみた。一応言っておくと、お股のえっちな所ではなく、そこよりちょこっと上のあたりである。


「よし、よし。いたくなーい、いたくなーい……」


 ――元気になぁれ、と。そして、この胸を焦がす愛よ伝われ、と。ただそれだけ願いながら、魔法の呪文を唱えつつしのりんのお腹をゆるり、ゆるりと優しく撫で回す。


 パーカーと、その中に着込んでいるブラウス越しに、詩乃梨さんの体温がじんわりと伝わってくる。思ったよりも、けっこう熱い。撫でてる手が汗ばんできそうだけど、浮かんだ水分はその端から詩乃梨さんの服に吸い取られてゆく。吸湿性バッチリだね、しかも手触りめっちゃキモチイイ……♡ これ一体どこのブランドの最高級品なのかしら――おい俺早速思考が逸れてんぞ、今はただ元気と愛だけを伝えるのに集中しろよ。


 伝われ。俺の気持ちよ、きみに届け。


「……………………………………………………ふん」


 はい、いつものぶっきらぼうな鼻息いただきました! 生理痛も、それに心痛もどうやら拭い去ることに成功したようです! きみに届いた! ひゃっふぅー!


 撫で撫でをやめないまま内心と顔面で狂喜乱舞する俺を横目に見て、詩乃梨さんは肩の力を抜くと『こいつほんとどうしようもねーな』みたいな優しい呆れ笑いを浮かべてくれた。


「……こたろーって、ずるいよね。……頭でいっぱい考えて、言葉でいっぱい伝えてきて、身体でもいっぱい伝えてきて……、ひとの心を蕩けさせるのが、すごく上手くて……………………ちょー女ったらし」


「裁判長、ラストの評価にだけは疑義を唱えたいです! サー!」


「却下」


「イエス、マム!」


 女の子の下腹部を無断で撫でてる現状に加え、余所の生娘達とアブノーマルな遊戯に興じた前科がある手前、俺に更なる異議申し立ては不可能なのでありました……。もう女ったらしでいいや。だからちょっとだけ服めくらせてくれないかな、直にしのりんのお腹触りたい。如何なる最高級の生地よりもしっとりなめらかなしのりんのお肌に俺の手汗を擦りつけたくてたまらない。


 うっかり手を滑らせるタイミングを虎視眈々と狙っていると、それより先に詩乃梨さんの手になでなでをそっと止められてしまった。




「……こたろー『も』、残念だったんだよね」




 一瞬、『今日は生理だからえっちできなくて残念なんだよね』的な意味かと思ってしまったが、いやそうじゃねぇだろしっかりしろ俺。詩乃梨さんが言ってるのは、えっちができないことではなく、赤ちゃんができてなかったことについてだ。


 先程は、自らは決して『残念だった』とは言わず、先に俺の判定を問い質そうとしてきた詩乃梨さん。……もしかしたら、俺の返答次第で、詩乃梨さん自身の答えも変えるつもりでいたのかもしれない。

 けれど、今語られた彼女の気持ちは、正しく彼女本来のものなのだろう。それを俺は、未だこの手に触れ続けている彼女のお腹と手から伝えられた。


 だから俺も、小難しい理屈を全部ぽいっとほっぽりだして、ただ素直な心のままに彼女の言葉へ頷くことが出来た。


「うん。俺も、残念だった」


「ん。そっか。……………でも、わたしの方が残念無念だね、きっと。ふふん♪」


「いや、俺の方がもっとも~っと残念無念だよ、ふふふん!」


「却下」


「ひどい!?」


 理不尽な裁決によって俺の胸に更なる無念を叩き込んだ詩乃梨さんは、勝ち誇った顔でにやりと笑うと、鼻歌交じりに朝食の続きへと戻っていった。超理不尽な勝ち逃げだなおい!


「…………ま、落ち込まれてるよっか、よっぽどいいけどな」


「? なんふぁひっふぁ?」


「食ってから話せよー、パンのカス飛ぶぞー」


「ふぁっ!?」


 俺に言われて初めて気付いたのか、詩乃梨さんはこたつ布団に落ちたパンくずを慌てて払った。だがお外ならともかく、家の中でそれやっても下に落ちるだけなので特に意味は無く、詩乃梨さんはぐむむと唸ると負け惜しみみたいに俺を睨め付けて来た。勝手に負けて勝手に睨んでくるなよ、マジで超絶理不尽だなこの娘!


 流石にこれは許せなかったので、詩乃梨さんが這いつくばってカスを拾い集めてる姿を悠然と見下ろしながら、これ見よがしにトーストにむしゃぶりついて美味そうに食ってやった。



 そしたら詩乃梨さんの頭にカス落としちゃって超怒られた。しょぼーん……。

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