発見!
一人称&今どきっぽい長い題名で小説を書きたくて書いたものです。ほとんど会話しかしてません。それでもいいよという方は読んでいただけたらうれしいです。
『私には前世の記憶がある』なんて言ったら、「頭大丈夫?」って誰もが言うはず。もちろん、冗談混じりだけどね。さらに『魔女として人間界を生きてた』なんて言えば、「中二病?」って言われるか「精神科行けば?」って言われるしょ。でも、きっと誰1人本気で言ったりなんかしちゃいないよね。だけど、私には本当に前世の記憶がある。魔女として生きてた人生がね。とは言ってもこの記憶が役に立つ事なんてないんだけど。魔女の前世だからといって、魔法が使えるわけじゃないし。一見すると何の役にも立たない記憶を私は楽しんでんだ。前世で私は何人かの男とつきあってきた。その男の生まれ変わりを探すと言うゲーム。探してどうにかしたいわけじゃない。ただ見つけてみたいだけっていう、単純明快なルール、それでいてクリア不可能なクソゲー。でも平和で何の面白みのないこの世界では唯一の楽しみかな。まあ、事実見つけられてはないんだけどね。
―キーンコーンカーンコーン―
「おら、チャイム鳴ってんぞー席座れー。」
あ、担任来ちゃった。じゃあまた後で。
―――
「じゃあ、朝礼は終わり。」
そう言って担任が教室から出ていった。私はいつものように鞄を持って教室を出た。教室から一番遠い階段を一番上まで登って、屋上へ続く扉を開けた。さらにはしごを登って一番高い所に来た。ほら、学校の屋上って大体ポコって飛び出てる所あるでしょ?そこの上。私のお気に入りなの。
「さあって、始めっか!」
私はなんとなくつぶやいた。
「え?何を?」
すると、どこからともなくそんな声が聞こえた。不思議に思って、身を乗り出して下を見ると1人の男がいた。うん?ちょっと待って、まさか?私は地面に手をついて今いる場所から飛び降りた。
「あなた、見たことないけど、転校生?」
「んだよいきなり。」
「違うの?」
「違わねぇーけど、なんでんなことわかんだよ。」
「?だって、私生徒会長だし。全校生徒の顔は覚えてるから。」
私がそう言うとあからさまに驚いた顔をされた。
「全校生徒の顔を覚えてるぅぅ!?」
「うん、それくらい簡単だよ。」
「つうかお前今、生徒会長つったか?」
「うん、そ。私、生徒会長。」
「なんでこんなとこいんだよ!」
「?だって、ここは私のお気に入りの場所だから。」
「じゃなくて、なんで授業サボってんだよ。」
「なんでって…あ、そっか、転校生だから知らないっか!」
うんうんと勝手に納得してると相手は睨みながら言ってきた。
「1人で勝手に納得してんな!」
「はいはい。じゃあ、私の事知らないあなたのために説明するね。私の名前は林未来。さっきも言った通り生徒会長だよ。で、なんでその生徒会長がサボってるかと言うと、授業を受ける意味がないから。」
「はぁ?」
「だって学校授業、進むの遅いんだもん。あんまりにものんびり過ぎてイライラするから、屋上で勉強してんの。」
そう言いながら私は、さっきいた場所を指さした。
「はぁ!?お前、なに言ってんの!?この私立星光学園は県内トップ・・いや全国トップクラスの進学校って話だぞ!?」
「まぁ、確かにそう言われてるねー。でも、私にとっては遅いの。だから、私高1の頃からサボってるよ。」
「いいのかよ、それ。確実に生徒指導の対象だろ。」
「それを言ったらあんたもでしょ?転校初日からサボりなんて。」
「いいんだよ、俺は。サボって怒られて停学食らおうが、退学になろうが、俺は元々この学校に入る気なんてさらさらなかったしよ。」
「ふーん、なるほど。ま、確かに最初の頃は指導もされてたけど、ほんの1か月だけ。」
「なんで?」
「成績優秀だから。」
いきなり相手はフリーズした。ま、確かにそんなこと言われたらびっくりするよね。この辺の反応はみーんなするから面白い。
「はぁ?」
ほら、返ってくる言葉も一緒だ。
「高1の最初の定期テストで全教科満点だったから。うかつに手出せなくなったわけ。」
「なんだそりゃ。」
呆れた顔された。まぁそりゃそうだよね。
「加えて私、ホントは生徒会長なんてやる気なかったんだ。めんどくさいし。でも、しつこくなれって言うから代わりに、私の授業サボりを黙認してくれるならいいよって言ったら教師がOKしたの。」
「だから、こうやって堂々とサボってるわけか。」
「そ。」
「なんちゅー学校だよ。」
「まあ、学力重視の超進学校だし、成績優秀者はなんとしてでもほしいんでしょ?」
ふっと笑ってニッコリ笑顔で次の言葉を繋げた。
「で、話をかなり戻すけど、あなたの名前は?」
「俺?俺は吉野徹だ。」
「そう…吉野って言うのね。」
私はそういうと彼から離れて屋上にあるフェンスへ向かった。右手でフェンスを握りしめ、つぶやいた。
「・・・・・・・・こっちでは。」
「・・・はぁ?こっちってどういう・・・・・!」
彼はそこまで言うとハッとしたようだった。
「まさか、お前も・・・」
私はニッコリ笑って体ごと振り向き、言った。
「そう、そのとおり。ひさしぶりね、アルフレッド。」
これが本来の私の小説です。私は元々一人称でなおかつほぼ会話のみで小説を書いていました。年齢が上がるごとに一人称ではなく、三人称で書かなくてはという気持ちが大きくなり、最近は三人称ばかり書いていました。なので、一人称で小説が書きたくて書きたくて、その思いが爆発した結果がこれです。更新はめちゃくちゃ遅いと思いますが、結末は決まってます。気長に待ってください。