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転生したら美少女騎士で百合ハーレムにいた。  作者: 碧月 紅
第一章 ここは、どこだ? 俺は、誰なんだ?
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 ──ってあれ? 俺の身体って……あるんだろうか。

 ──怖い事を考えそうになって、思わず泣きたくなってしまった。


 思う事は色々あるけど、それは横においておくことにした。

 とりあえず今はリヴィーとして過ごすしかないんだから。

「リヴィー?」

 声がかけられて、アイリーンが俺を心配そうに見ていた。

「ああ、何でもないんだ……アイリーン」

 軽く手を振って、笑いかけると、嬉しそうにアイリーンが笑った。

 ああ、こんな顔で笑うことも出来るんだな……笑うと可愛いじゃないか。

「あの、リヴィエール様……私に何か出来る事があれば……」

「ああ、その時には頼むよ、リナリー。

 少し疲れたみたいだから、一人にしてくれる……かな」

「そうね、まだ本調子じゃないみたいだし……大丈夫?」

 心配そうに言うアイリーンに頷いて軽く背を押して部屋の外へと促す。

「リナリー、君もありがとう」

 次いで、リナリーにも言うと、ドアを開けたままにして退出を促す。

 二人共が出ていって、一人になると大きく溜息をつく。

 とりあえずリヴィーというのは【俺】と自分の事を言っても不思議に思われない少女らしい。

 それはちょっと助かるかな。

「はぁ……それにしても、リヴィーがどんな子なのか全然分からないままだな……」

 ミルカ先生にはリヴィーとアイリーンの関係を聞きそびれたし。

「日記でも付けてくれてたらいいのにな」

 ああ、でもここの文字を俺は読めるんだろうか?

 言葉は通じてるのは助かるが、文字まで通じるのかまでは分からない。

「本でもあれば……」

 部屋を見渡すが、本箱というものがこの部屋にはなかった。

 少し考えた末に、アラバスターの小箱、この部屋のリヴィーの唯一の私物に手を伸ばす。

「リヴィーごめん」

 少しでも何かの手がかりがないかと、小箱の蓋を開ける。

 アラバスターの小箱には、ブローチが一つ、たった一つだけ存在していた。

「他には? 他には何かないのか?」

 小さな小箱を持ち上げて、よく見るが、ブローチ以外何も入っていなかった。

「……何だかなぁ」

 手がかりにもならないとばかりに、蓋を締めると元の位置に戻す。




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