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転生したら美少女騎士で百合ハーレムにいた。  作者: 碧月 紅
第一章 ここは、どこだ? 俺は、誰なんだ?
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「え?」

 女の子の部屋にしてはやけに殺風景だと、その部屋を眺めると一つだけ、オルゴールのようなアラバスターの箱が、女の子の持ち物だと示すようにそこに在った。

 その他は作りつけの棚やタンス、ベッドのシーツやカーテンすら華やかさはなく、白い色だけを見せていた。

「いやに殺風景な部屋ですが、これは最初から?」

「もともと部屋についていたものですね、カーテンもベッドも。

 多分──あのアラバスターの小物入れだけが持ち込んだものなのでしょう」

 周りを見渡してから、そう答えてくれた。

 この身体の持ち主──リヴィエールは物に執着がないんだろうか。

 そんな彼女が持ち込んだという小物入れに興味が湧いた。

「ありがとうございます、えっと──」

 ミルカ先生だったかなと考えていると、ノックの音がした。

「ミルカ・サフィ、あなたたちの教師であり、寮監でもあります。

 どなた?」

 ミルカ先生がドアに向かって誰かと問いかけると、そっとドアが開いてさっきの少女が顔を覗かせる。

「ミルカ先生……、入ってもよろしいでしょうか?」

「リヴィエールさん、もうよろしいですか?」

 さっきの、アイリーン・レイスという少女を部屋に入れるかどうか、迷ったものの特に支障があるわけでもなし、入ってもらうことにした。

「ミルカ先生、ありがとうございました」

「何かあったら、私に相談してくださいね?」

 ミルカ先生はそう言い置いてドアから出て行き、入れ替わりにアイリーンが入って来た。

「リヴィー、大丈夫?」

 心配そうな瞳に、リヴィエールとどういう関係なのかをミルカ先生に聞きそびれたと思ったが、それは後の祭だった。

「ああ、身体はなんともない」

 身体はな、と思いながら苦笑を浮かべる。

「よかったぁ……」

 いい終えるや否や、抱きついてくるアイリーン。

 いい匂いだと思っていたのは彼女の髪か、と彼女の背中を撫でながら思う。

「ああ……、心配かけてすまない」

 とりあえず、心配かけたことを謝ってみる。

 多分、リヴィエールにとっての大切な友人であろうと、アイリーンの態度で思われて、邪険にするのをやめて、リヴィエールならそうしたんじゃないかと、背中を撫でながら時折ぽんぽんと軽く叩いてやる。


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