リヴィールの婚約者(仮)
アイリス大賞4
数日後、あまりにも暇で、昼寝をしていた所。
アンディから客が来た、と連絡をもらったので慌てて顔を洗い、服を着替えていつもと違う服に気づいて、これは似合うのかどうかと鏡の前で考える。
いつもの制服と違って、黒のミニスカートと白のブラウスを着たリヴィールの姿が鏡に映っていた。
「うーん、まぁいっか。
俺はともかく、リヴィールなら似合ってるし、な」
部屋から出ると、アンディガいて、なんだか変な顔をしている。
少し顔を傾げて、何といえばいいのかと迷っているような、顔。
「アンディ、この服はおかしいか?」
はっと今気付いたような、という顔をしたアンディに否定された。
「いえ、リヴ様…お似合いですが、あまり見た事のない服でしたので…」
あー、そうか…リヴィールはこういう服を着なかったのか…なら、着替えた方がいいのかな?
「…着替えた方がいい…か?」
「そう、ですね…。
では私が服を選びましょう、リヴィール様なら…こういった服を着られたはずなので」
服を選んで出してくれている間に、客は誰か、というのを教えてもらった。
「あー、そりゃあ…この服じゃまずいな」
客は、来るのは珍しい事だが、リヴィールを知っている事については、アンディの言う通りにしていた方がよさそうだ。
「これ…ですかね…」
アンディが出してくれた服は、スカートはロング丈の青で、薄いブルーのカッターシャツだった。
ロングのスカート、プリーツというのか、フレアじゃなく、ブラウスではなく、カッターシャツという所に可愛さは減少した…。
「で、可愛くないが…本当にこれでいいのか?」
「ええ、相手の事をリヴィール様は好きではなさそうでしたから」
「好きじゃないのに、一応は会うのか…?」
「そうですね、お会いになるだけはしてました。
一応は相手が名乗っているだけですが、婚約者ですから」
婚約者?
え、ええっ?
「ちょ、ちょっと待って、婚約者だって?
それなら俺がリヴィールと違うとか、分かってヤバいんじゃないか?」
「婚約者と自称されているだけで、リヴィール様は認めてはおりませんから。
ただ、家の繋がり上は仕方がないのかも知れませんね」
「…えーっと、自称されてても仕方がないって…どういう…」
どういう事なんだろう、と考えても仕方がないが、気になる。




