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「あーっ、美味しかったぁ」
渇いた喉が癒えていく。
ちょうどグラスを空にしたところで、喉は落ち着いてお代わりを注がれる時には、喉はそんなに渇いてはなかった。
グラスを傾けると、氷がカランと鳴って、涼し気な音がした。
「ああ、アンディ、君のグラスは?」
落ち着いてからよく見ると、テーブルの上にはグラスがひとつしかなかった。
「私のグラスは持ってきておりません。
私は喉が渇いておりませんでしたので。
お付き合いでグラスは持ってきた方がよかったでしょうか?」
「ん、そうだなぁ、グラスは持ってきてくれた方がよかったな。
ほら、一息ついてから話したりするのに、お茶を飲みながら…の方がいいな、と思って」
「ああそうでしたか、それではグラスをもう一つ、持ってきましょう」
そう言うと、アンディは部屋のドアから廊下へと出ていき、ほんの数分でグラスを持って戻ってきた。
「…早いな」
早い、思ってたよりずっと早い。
ひょっとして、廊下では走ってたりするんだろうか…。
「私のグラスは部屋から持ってきましたので」
テーブルに置かれたグラスは、俺が飲んでたグラスとは少し違っていて、シンプルな飾りとかのないスマートなグラスだった。
「部屋から…、ひょっとして部屋ってのは…」
「リヴィール様の部屋からすぐといった所です」
…すぐっていうのはどのくらいの距離だろうか、隣とかなら面白いのになぁ。
「隣…じゃないんだ」
「私の部屋ですか?
リヴィール様の部屋から一部屋置いた所にあります」
部屋の隣って…。
リヴィールの部屋の隣の部屋は衣装部屋になっていた。
うん、中身はなかったけど。 そう、衣装部屋は服がほとんどなかった。
少しだけあったけど、その他にはお気に入りとか着た形跡も無かった。




