3
アイリス大賞4
部屋から出る時に、一度明るくした部屋は暗くなって鍵をかけるころには何も見えなくなった。
暗くなって見えなくなった部屋に、階段の途中で一度振り返って、軽く手を振る。
「また、な…」
うん、一か月後にまた…。
次に会うのは今のリヴィールの年と同じくらいになった時で、その時にはリヴィールにも会えるだろう。
本物のリヴィールと会える時が、楽しみだ。
しかし、俺の身体もリヴィールとそっくりなので、ちょっとワクワクする。
「リヴ様、お部屋に着きました、どうぞ」
「あ、うん…ちょっと喉が渇いたかな?」
「では、お茶の用意を…と、冷たいのと温かいのはどちらがよろしいですか?」
「冷たいのを飲みたいな…うん、冷たいのを頼む」
「はい、ではお部屋で少々お待ちください」
部屋に入って椅子に座って待つ事にする」
部屋の中で何があるかを確かめると、リヴィールの私物もあったりして、ちょっとドキドキした。
まぁ、この部屋の中も私物が少ないのだが、ハンガーらしきものにリヴィールのものだろうという、ドレスが掛かっていて、寮の中にはなかった色、女の子らしい薄いピンクのドレスにドキドキしてしまった。
うん、リヴィールと話してみるのにも期待ですそうな気がする。
「リヴ様、冷たいお茶の用意が出来ました」
頼んだ冷たいお茶の用意ができたので、椅子に座りなおして待つことにする。
「おお、氷が入っている…」
冷たいお茶にはガラスのグラスに氷が入っていて、薄い紅茶の香りがして、一口飲むと氷で冷たくした紅茶、少し甘くした美味しさに一基に半分飲んでしまう。
「はー、美味しい」
「お代わりもありますよ」
にこ、と笑ったアンディがそう言って、テーブルにガラスの容器、ポットを置く。
「じゃあ、これを飲んでお代わりを」
喉が渇いていたのか、お代わりもあるというので半分になったグラスの中身を飲んでしまう。
うん、甘さも適度に美味しくて、自分がどんだけ喉が渇いてたのかを実感する。




