9
アイリス大賞4
少しの間、紅茶とクッキーとで落ち着いた時間を過ごした。
「さて、紅茶とクッキーを召し上がって、気もそろそろ落ち着かれましたか?」
「うん、気分もゆったりできて、かなり落ち着いた」
これって、昼ご飯を食べてなくて、気が落ち着いてなかったという証拠だろうか。
「では、先ほどの続きをお話いたしましょう」
さっきの…、というとああ、休憩してからという話で何でリヴィールが話せたのかとかそういう色々な謎の話だな。
「まず、私はちょっと変わった力を持っております。
これは、主に主と決めた方としゃべらずに意思を通じさせる事ができるということです。
意思を通じさせるといっても、心が読めるわけではありません」
ある日、リヴィール様の意思を感じました。
それで、身体にリヴ様がいるということを知りました」
「ああ、それで」
今の説明で、ほとんどを納得した。
「で、リヴィール様から女性の自分の身体を男性のリヴ様が使うのはどうにかしたい、と相談がありまして…」
あー、まぁそうだよなぁ。
女性ならそれは気になるよなぁ。
自分の中に、他人の俺がいるんじゃなぁ。
「あっ!」
「どうしました?」
「い、いやっ、何でもないっ」
ということは、この身体に入った時、触りまくった事とか…知られてる?
うわー、俺ってばリヴィールに何て言えば…うわぁん。
「リヴ様、リヴィール様からの伝言があります。いつの事かは知りませんが…、気にしなくていい、とのことです」
え、気にしなくていいって?
そりゃあ、やっぱり…初日の事だよなぁ…ごめん、リヴィール、で、ありがとう…。
後、詫びなきゃいけないこととかは…多分ない、と思う。




