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アイリス大賞4
「…起きて…」
ぼんやりとした頭の中に、静かな、低いような高い声がする。
鈴が鳴るような、綺麗な声。
「起きて…」
聞き覚えのあるような、声。
「起きろって言ってるでしょう?」
怒られた気がして、目を開ける。
すごく、怒られた気がしていて、声の方を向けない。
「ああ、起きたね、リヴ」
あ、よく考えたらこの声は自分の声に似ている。
「確かリヴって名付けられたんだよね、私もそう呼ぶ事にするから」
…?
…あ、そっかこの声はリヴィールの声か。
何で?
「…よく聞いてリヴ」
ん、まぁ…何だろう、とりあえずは聞くけど何だろう」
「アンディの言うことは、正しいから。
貴方のためにも、私のためにもなるから」
そして、声は消えた。
声も、姿も見ることができずに、消えた。




