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転生したら美少女騎士で百合ハーレムにいた。  作者: 碧月 紅
第四章 一番になりたい
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【一番になりたい】


 学院祭という名の、試合の朝。

 俺は朝から二戦して、なんとか二勝していた。

「あとは昼から、かぁ……」

 持ちなれない剣を右手にしながら溜息をつく。

「リヴ、おめでとうっ、順調に勝ってるわね」

 いきなり後から抱きつかれた。

「そ、その声は……リーズ……、く、くるしい……」

 首をぎゅうぎゅうに絞められて、息が出来ない。

「え? 美少女に抱きつかれて嬉しいでしょ?」

 一向に離してくれそうにないのに、顔が赤くなって、意識が遠くなっていくのが分かる。

 ああ、ひょっとしてこのまま落ちるのかな……。

「リヴ? どうしたの、顔が真っ青よっ?」

 いや、リーズ、それ君のせいだから。

「………………」

 意識が途切れた。

 気が付けば、草の上に寝転んでいたのか、目を開ければ空が見えた。

「あ、気がついた?」

 空と一緒にリーズが見下ろしている顔が目に入った。

 頭の後ろが土の感触でないと頭を動かすと、スカートの端が見えて、リーズの膝枕で寝ていたのを知ってびっくりして起き上がる。

「うわ、びっくりしたぁ」

 いや、それ俺のセリフだから。

「さっきはびっくりしたよぉ、急に倒れるんだもん」

 いや、それはあなたの絞めのせいです。

「それで、気分はどう?」

 ……いや、もう言うまい。

 きっと、何を言ってもムダだ。

「──気分は悪くはない。

 介抱ありがとな、どのくらい気を失ってた?

 俺の次の試合まで時間は?」

「んーっと、五分くらいかな。

 次の試合って午後でしょ、充分時間あるよ」

「ああ……ちょっとほっとした」

「次の試合は誰とだっけ?」

 次の試合の相手、誰だったかな……男子生徒だったような──。

 何ていったっけ……確かえらく美形だったような。

「名前は忘れたけど、こう、なんというかキラキラした感じの」

 ぽんっと手を合わせてリーズが分かったという顔をして笑った。

「キラキラ、それ多分ルイスだっ、キラキラ──うん、キラキラだねぇっ」

 ぷぷっと吹き出して、笑い出す。

「金髪の巻き毛でえらくハンサムな奴だったと思うけど、それがルイス?」

「ん、間違いない、ルイスだっ」

「ルイス──何?」

 顔は見た事があるけど、名前は知らなかったがそこそこ有名なんだろうか。

「ルイス・エドワーズ、顔はともかく、彼は結構強いよ?

 リヴは付け焼刃なんだから気をつけてね」

 確かに、リーズの言う通りだ。

 身体はリヴィーが覚えてるけど、俺自身は剣なんて持つのも初めてなら、戦うのも初めてだ──多分。



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