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転生したら美少女騎士で百合ハーレムにいた。  作者: 碧月 紅
第二章 リヴィーと俺の慌しい朝
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 そう──いえば、トイレに入った記憶もない。

「何なら着替えも手伝いますわよ?」

「えぇっ?」

「あなた騎士の鎧なんて着たことないみたいだしね」

「あ──ああ、鎧なんて着たことはない、な……多分」

「来週、試合がありますのよ、リヴィーが欠席とか成績下がるなんて真似はさせませんから、覚悟なさってね?」

「し、試合?」

「そうー、学院全部で試合して成績優秀者にはご褒美!

 リヴィーはいつも五位以内には入ってるから、がんばってねーリヴ」

「い、いきなりそんな事を言われても……」

 考え事をしている間に学院行事の話になっていたらしく、俺はリヴィーがしていたように五位以内に入れ──とそういうことになってしまっていた。

「じゃあ、今日の午後から訓練しなきゃねっ」

「ええ、リヴィーの名を汚すような真似は許しませんから」

 アイリーンとリーズがにっこり笑って俺を見つめる、その目が笑っていないのに本気だと分かる。

「リヴィーの鎧は軽いし、胸当てと篭手くらいだから付け方は簡単ですわ」

「大丈夫よぉ、その制服の上から付けるだけだから、そんなに重くないしねっ」

 気のせいか、リーズが楽しそうに笑っている。

「訓練はアイリーンに任せるから、訓練後のマッサージは任せてねっ」

 ああ──そうですか、マッサージ……。

「えええ──っ?」

「訓練後のシャワーを浴びて桃色に染まったリヴィーの足を優しく揉み解して上げるわねっ」

 わぁ、すごく楽しそうな顔してる。

「ずるいですわって言いたいところですけど、リーズのマッサージは確かにいい腕ですから、我慢しますわ」

 ちょっと拗ねたような顔のアイリーンが言うと、リーズがえへんって胸を張って腕を腰に当てていた。

 拗ねたアイリーンの顔が、何か──可愛い。

 選ぶってるリーズの胸が揺れたのが目に入ってしまって、目のやり場に困る。

 困ったことに、一日中こんな綺麗で可愛い女の子たちと一緒に過ごすって、ある意味嬉しいけど、やっぱり困る気がする。

「あ──」

「どうしましたの、リヴ」

「いや──何でも、ない」

 心の中で、何か嬉しいとか楽しいとか、そんな気持ちが湧いたような気がして、それは一体どれになのかと考える。

 騎士戦なのか、彼女たちなのか、これからの生活に対してなのか。

「改めて、よろしく。

 アイリーン、リーズ」

 二人に頭を下げて、顔を上げて笑いかける。

「ああ、もう……リヴィーの顔でそんな顔しないでよ」

「いやー、ほんと。

 リヴィーがそんな顔で笑うとなんかなかもんねぇ」

 二人に言われて、リヴィーらしい顔っていうのはどんな顔で、らしくないのはどんな顔なのかを考えてしまう。

「えと、そんなに違う──のかな?」

「そりゃあもう、まるっきり。

 今のリヴィーとは別人ですわ、まあ文字通り別人なんですけどね」

 あははは、と笑って返すものの、リヴィーとして生活出来るのかちょっと不安になった。


 とりあえずは、二人に手伝ってもらいながら、リヴィーとして過ごすことになった。

 うまく、いきますように。



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