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転生したら美少女騎士で百合ハーレムにいた。  作者: 碧月 紅
第二章 リヴィーと俺の慌しい朝
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8

 その上で、見捨てられたらもうどうしようもない。

「……リヴィーじゃないけど、その身体はリヴィーのだしね、私──貴方の手助けをすることにするわ」

「アイリーン……」

「わ、私もっ」

 少し遅れてリーズも口を開いた。

「リーズ……。

 二人共ありがとう……助かるよ」

「貴方の為じゃないわ、リヴィーの為なんだから、そこの所は誤解しないように!」

 うん、それでも助かるのは助かる。

「それで、貴方の名前は?」

 アイリーンが言い、リーズも気になるとばかりに頷いている。

「それが、名前も思い出せないんだ」

「えっ、じゃあ……本当に何も覚えてないの?」

 リーズが驚いたように口に出し、アイリーンが困ったなという顔をしている。

「困ったわね、それじゃあ貴方を呼ぶ時はどうしましょう。

 まさかリヴィーって呼ぶのもねぇ……」

 アイリーンが頬に手を当てて溜息をつく。

「リヴは?

うっかり人前で呼んでもそれならリヴィーのいい間違いって言えるし」

ああ、それはいいかも。

リーズがうきうきしてそうな感じで言った。

「そう、ね。人に聞かれてもそれなら平気だろうし、リヴでよろしくて?」

「ああ、じゃあそれで頼むよ」

 リヴか、り……ぐ? 何となく音に聞き覚えがあるような気がしたが、それ以上は思い浮かばなかった。

「リヴ、では人前では貴方をリヴィーとして接しますので、よろしくお願いしますわね」

「よろしくねっ、リヴ」

 よかった、二人に打ち明けて本当に良かった。

 ほっとしたら力が抜けて足がへなへなと崩れてしまった。

「ではリヴ、しばらくは気を失っていたせいでという言い訳も使えますけど、とりあえずここでの生活に差支えがないように説明をしますわ」

「はいっ、お願いします」

 思わず床に座って、二人を見上げる。

 少しばかり床の石畳が固いが、感謝の気持ちにと、頭を下げる。

「えーと、じゃあ学校の事はクラスが一緒だから私が説明するね」

「私は、主に寮の事を、それでひとまずはよろしいでしょう」

 リーズが学校の事、アイリーンが寮の事をか。

「あのね、リヴ、この学校は普通の学校じゃなくて良家の子女とか貴族出身とか、あ、あと奨学金で来てる人が、剣の使い方とか、騎士団に従事する為の訓練──うん、騎士の訓練校なの」

「騎──士?」

 聞き覚えがあまりない騎士という言葉に、俺の世界では騎士はいなかったんだろうと思えた。

 それでもあまりないだけで、騎士という言葉がすんなり入るのは、何かで知ってたんだろうと思う。

「そう、騎士の訓練校なの、このアークランド学院は。

 リヴィーは優等生で、学年で五位に入る剣の使い手でね、ファンクラブとかあるの」

「ファン……クラブ……」

 ああ、それで食堂でも注目を浴びていたのか……と漸く納得する。

「まぁ、リヴィーの人気は剣だけじゃないんだけどね」

 くすくす笑いながらリーズが片目を瞑る。


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