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転生したら美少女騎士で百合ハーレムにいた。  作者: 碧月 紅
第二章 リヴィーと俺の慌しい朝
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7

「ごめん、嘘じゃないんだ」

「じゃあ……、じゃあ貴方誰なの?」

 アイリーンが俺に詰め寄りながら聞いてくる。

 リーズは呆然とした表情で固まっている。

「俺は──記憶がなくて、誰だか俺にも分からない。

 けど、リヴィエールじゃないのは確かだ。

 ──多分、俺は一度死んだ──と思う」

 覚えているのは赤い月と赤い空、それを見上げるでなく見ていた。

「死んだ──って」

 リーズが漸く口を開いた。

「ああ、多分、な。

 それに、俺の居た世界でもない──と思う。

 俺の世界に、リヴィエールのような髪と瞳の者はいなかった、と記憶がなくてもそう感じるのは確かだ」

「えっと……リヴィーの中の貴方はひょっとして──男……なの?」

 おそるおそるリーズが聞いてくる。

「──多分」

 リヴィーの胸に初めて触った時の感動は、俺が男だという証拠だろうと思う。

「……アイリーン、どうする?」

「リーズ、どうします?」

 俺から少し離れて二人がこそこそと内緒話を始める。

 ああ、そりゃあそうだよな。

 友人が(そうじゃないのかも知れないけど)いきなり中身が別人で、しかも男だって知ってショックを受けないはずがない。

 けど、ここでこの二人に離れられると、俺としてはちょっと困るわけで──。

 だからこそ、打ち明けたんだけど、本当に離れられたらどうしよう……不安だ。

 そんな不安を胸に二人の内緒話が終るのを待っていると、アイリーンが振り向いた。

 ああ、やっぱり日の光の下でだと、緑色の瞳の色は宝石みたいにキラキラしてて綺麗だ。

 気の強そうな緑の瞳が俺を見ている。

 やがて、一度目を瞑ってから溜息をついて、軽く肩を竦めた。

「リヴィー、いえ、貴方の言う事が真実として、本当のリヴィーはどこにいるのかしら」

「分からない、それは俺も知りたい」

「これから──どうするの?」

「とりあえずはリヴィエールの振りをするしかないって思ってたんだけど、君らはどうしたらいいと思う?

 この身体はリヴィエールのものなんだし、その内に精神も戻って来るんじゃないかって思うと、このままリヴィエールとして過ごすのがいいのか、それともどこかに行った方がいいのか、正直この世界の事も分からないし、途方に暮れてる」


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