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転生したら美少女騎士で百合ハーレムにいた。  作者: 碧月 紅
第二章 リヴィーと俺の慌しい朝
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5

 そういう所に目がいってしまうのは、リヴィーの、女の子の身体でも中身はしっかり男だってことで──あまり近寄られるとドキドキする。

「個室でよかった……」

 つくづく個室でよかったと思う。

 これが同室だとかだったら、俺の心臓が持たない。

「何か言った?」

「……なんでもない、気にしないで」

 俺の皿にパンを乗せながらアイリーンが聞いて来る。

 でも、やっぱりこうしていると、リヴィーと一番親しいのはアイリーンなのかな、と思う。

 リーズは今朝あったばかりだけど、アイリーンが休戦中といいながらも仲良く話しているのを見ると、多分──だけど、リヴィーとも親しいんだろう。

「あのさ、リヴィーと親しいのってアイリーンとリーズであってる──かな?」

「ええ、多分一番が私、その次にリーズかしら」

 よどみない答えが返ってきた。

 なら──俺の秘密を二人には打ち明けた方がいいかも知れない。

「あとで、三人で話せるかな?」

 ずっとリヴィーのフリをして二人といるのは、騙してるようで、気が咎める。

 それで──二人の態度が変わっても、それは俺がリヴィーじゃないんだから仕方がないよな。

「うん、できれば他に人の居ない所で」

 いくら何でも、こんな人の多い場所でだと、聞こえるかも知れないし、二人の反応から何があったかと騒ぎになっても不味い。

「紅茶のお代わりをもらってきたわ」

 にこにことテーブルにポットを置くリーズ、そういえば俺の世話ばかりして、リーズはちゃんと食べたんだろうか。

「リーズ、後で時間あるかしら、リヴィーが三人だけで話したいって」

「え? ああ、出たい授業があったけど、いいわ」

 え、授業サボってまでとは言わなかったんだけどっ。

「授業が終わってからでも──」

 口を挟もうとして、アイリーンとリーズが頭を振る。

 どうやら俺の話を優先してくれるらしい。

「リヴィーは今普通じゃないんだから、何かあったら話を聞くようにって先生からも言われてるから、平気よ。

 まぁ、その時リーズはいなかったけど、後で許可もらえばいいでしょう」

 ああ、そういうことか。

 先生ってミルカ先生かな──昨日記憶がないことだけでも話しておいてよかった。

「じゃあ……裏庭の東屋はどうかしら。

 授業中なら誰も来ないし、庭師もこの時間なら東屋の方には来ないはずよ」

 場所を提示されてアイリーンが頷く。

「あずまや……ああ、そんなのがあるんだ」

 何となく頭に浮かぶのは小さな休憩所みたいな建物で、ナイショ話というよりは散歩の途中とか、逢瀬なんかに似合いそうな場所だな。

「食べたら行きましょうか。

 リーズあなたちゃんと食べた?」

 アイリーンが言うと、リーズが椅子に座ってパンを食べ始める。

 どうやら俺が思った通りだったようだ。

「リヴィーはお代わりはもういいの?」

 俺の皿が空になっているのを見てアイリーンが聞いて来る。

「いや、もう充分お腹いっぱいだよ、ありがとう」

 これは嘘じゃない、本当にお腹いっぱいで、もう入らない。


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